イスラエル治安閣議、ネタニヤフ氏のガザ市占領計画を承認 国内外で懸念高まる中
(CNN) イスラエル首相府は8日、ネタニヤフ首相によるパレスチナ自治区ガザ地区ガザ市の占領計画が治安閣議で承認されたと明らかにした。
首相府は夜中まで続いた治安閣議の後に声明を出し、「イスラエル国防軍(IDF)は戦闘区域外の民間人に対して人道支援を確実に提供しつつ、ガザ市掌握に向けた準備を進める」と表明した。
ガザを再び完全占領するかどうかを決める治安閣議の最中、イスラエルでは各地で大規模な抗議行動が発生した。イスラエルが完全占領に動けば、戦闘は大幅に激化することになる。
国際的な圧力やイスラエル軍からの反対、人質が危険にさらされるとの国内の不安にもかかわらず、ネタニヤフ氏は戦闘開始から2年近くが経過した現在、ガザを完全掌握する方針を推し進めている。
計画の詳細は依然不明だが、イスラエル首相府は「代替案では(イスラム組織)ハマスの打倒も、人質の帰還も達成できないと圧倒的多数の閣僚が判断した」としている。
ネタニヤフ氏は治安閣議前に米FOXニュースのインタビューに応じ、ガザ全域を軍事的に掌握する計画かと問われた。
これに対し、ネタニヤフ氏は「そのつもりだ」と明言。ガザから「ハマスを排除」したうえで、「ハマスでもイスラエルの破壊を唱える者でもない文民統治組織」に引き渡すことを目指すと主張した。
ネタニヤフ氏の発言は、イスラエルの野党指導者ヤイル・ラピド氏から強い反発を招いた。ラピド氏は「ネタニヤフ氏が提示しているのは戦闘の拡大や人質のさらなる犠牲、『公表許可』通知の増加、そしてベングビール国家安全保障相やスモトリッチ財務相の妄想に数百億シェケルの税金を投じることだ」としている。
ガザに残された人質50人のうち一部の家族は8日、政府に計画撤回を求める複数のデモを組織した。