印旅客機墜落、英国の一部遺族に別人の遺体送られる 弁護士が明かす
(CNN) ここ10年で最悪の航空事故となった先月のエアインディア旅客機の墜落に関して、インド当局が家族を亡くした英国の遺族の一部に誤った遺体を送付したとの見方が浮上している。当該の遺族の弁護士が明らかにした。
国際航空法の専門家で、英国人の遺族の一部を代表するジェームズ・ヒーリープラット弁護士によると、少なくとも2人の英国人については人違いだったことが遺体の返還後に判明したという。
あるケースでは、ロンドンの検視官が一つの棺(ひつぎ)の中で複数の遺体のDNAが混ざり合って存在しているのに気付いた。ヒーリープラット氏が英PAメディアに語った。
ヒーリープラット氏によれば、混同はごく最初の段階で発生していたとし、到着した遺体の身元確認の徹底が必要になった。結局遺体は、想定された人物とは全くの別人であることが判明したという。
6月12日、インド西部アーメダバードの住宅密集地域にエア・インディアのジェット機が墜落した事故では、乗客と乗員242人のうち1人を除く全員が死亡した。
事故は同機がロンドンへ向けて離陸した直後に発生した。当局は事故の最終的な原因をまだ公表していないが、暫定報告書では、操縦室内の燃料制御スイッチが切り替わっていたため、エンジンに動力が行き渡らなくなったと指摘されている。
3人の犠牲者の遺族は23日、送られた遺体が別人と判明したことについて「深く懸念している」と述べ、当局に対し「慎重さと連携、そして敬意」をもって対応するよう求めた。
遺族らは声明で、多くの人が懸念していた事態が起きたと指摘。事故の犠牲者並びに遺族の尊厳と権利が適切に保護されなかったことが明らかになったと述べた。
インド外務省の報道官はX(旧ツイッター)への23日付の投稿で、これらの懸念や問題が浮上した瞬間から「英国側と緊密に連携して対応している」と説明。被害者の身元確認は「確立された手順と技術的要件」に基づいて実施したとしつつ、引き続き英当局と連携し、関連するあらゆる懸念に対処していくと述べた。