クルド人組織PKK、武器を燃やす式典 武装闘争終結へ前進
クルド人組織PPK、武器を燃やす
(CNN) トルコからの分離独立をめざして武装闘争を続けてきたクルド人の非合法組織、クルディスタン労働者党(PKK)は11日、拠点があるイラク北部で、戦闘員が武器を放棄する式典を開催した。半世紀近く続き、数万人の犠牲者を出したトルコ政府との武装闘争の終結へ向けた象徴的な第一歩となった。
式典には政治家や各界の関係者が出席。PKKの戦闘員約30人が武器を大釜に収め、その後、火を放った。戦闘員は声明で「民主的な政治と合法的手段によって自由への闘争を続ける」と宣言し、自らの意思で武器を破壊するとした。
式典は招待された少数の参加者を除き、記者は現場への立ち入りを認められていなかった。
トルコ政府高官は今回の式典について「不可逆的な転換点」「画期的な出来事」と述べた。
トルコのエルドアン大統領はX(旧ツイッター)で「テロのないトルコ」実現へ向けた「重要な一歩」と歓迎した。
イラク外務省も声明で、武装解除に向けた具体的な始まりを体現する重要な進展だと述べた。
PKKは5月、収監中の指導者アブドラ・オジャラン氏の呼びかけを受け、「あらゆる活動」を停止し解散すると表明。「クルド問題は民主政治で解決できる段階に達した」との声明を出していた。今月に入り公表されたビデオ声明で、オジャラン氏はトルコ議会に対し、包括的な和平プロセスを担う委員会の設置を要請した。
オジャラン氏が1978年に結成したPKKは当初、トルコでの独立国家樹立を掲げていたが、近年は国内での自治拡大と文化的権利の充実を求めている。
クルド人はトルコの人口の15~20%を占めるほか、シリア北部やイラク北部、イランにも多く居住する。