ポーランド、K2戦車の調達契約締結 韓国は米同盟国への主要な兵器供給国に

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演習で韓国製のK2戦車「ブラックパンサー」に乗るポーランド兵=6月24日/Kacper Pempel/Reuters/File

演習で韓国製のK2戦車「ブラックパンサー」に乗るポーランド兵=6月24日/Kacper Pempel/Reuters/File

(CNN) ポーランドはこのほど、韓国製のK2戦車180両を調達する契約を締結した。2022年の合意に基づく2回目の調達となる。最終的に、ポーランドが保有するK2戦車の数は1000両近くに上る見通しだ。

今回の契約は、ポーランドが欧州有数の軍事大国として台頭しつつあること、韓国が主要な兵器供給国としての地位を確立したことを浮き彫りにする。世界各地の紛争で米国の兵器在庫が枯渇する中、韓国はとりわけ米同盟国への兵器供給で存在感を高めている。

現在、ロシアはウクライナへの攻撃を強化しており、その一部はウクライナ西部のポーランド国境から約160キロ以内に迫っている。

ロシアのウクライナ侵攻以降、ポーランド政府は防衛費を増額して新兵器を調達する一方、ウクライナへの防衛支援も行ってきた。

ポーランドはウクライナと国境を接する北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であり、ロシアのプーチン大統領がウクライナ以外の国に侵攻を拡大する決定を下した場合、NATOの第1防衛線とみなされる。

ポーランド国防省は今月上旬、X(旧ツイッター)への投稿で戦車の調達契約を発表した。正式署名はまだ終わっていない。

契約額は67億ドル(約9870億円)程度で、支援車両80両や弾薬、ポーランド軍向けの兵站(へいたん)・訓練パッケージもこの中に含まれる。

K2主力戦車を巡っては、世界最強クラスとの見方もある。韓国防衛事業庁(DAPA)によると、今回の契約には韓国防衛大手の現代ロテムが製造する車両に加え、ポーランド仕様の「K2PL」に充てる現地生産ラインの設置も盛り込まれているという。

ポーランドのワルシャワで行われた軍事パレードに参加するK9自走榴弾砲=2023年8月15日/Damian Lemaski/Bloomberg/Getty Images/File
ポーランドのワルシャワで行われた軍事パレードに参加するK9自走榴弾砲=2023年8月15日/Damian Lemaski/Bloomberg/Getty Images/File

ポーランド国防省はXへの投稿で、180両のうち60両はポーランド国内で製造されると説明した。韓国で製造される最初の30両は来年到着する見通し。

両国は2022年、ポーランドがK2戦車180両を調達するという契約を締結した。現代ロテムによると、既にほとんどが引き渡されており、残る45両も年内にポーランドに到着する予定だ。

この枠組みは韓国にとって過去最大の海外防衛契約とされ、ポーランド国防省は当時、合計で980両のK2戦車、648門のK9自走榴(りゅう)弾砲、48機のFA50戦闘機が盛り込まれると説明していた。

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