「キノコ殺人事件」 被告に有罪評決、毒キノコの昼食で3人死亡 豪
合意した事実によれば、パターソン被告は23年7月29日に5人を昼食に誘った。その5人の中には前日にキャンセルした別居中の夫サイモン・パターソン氏も含まれていた。
食事から数時間後、昼食会に同席していた4人が嘔吐(おうと)と下痢に襲われた。4人は病院に搬送され、救命措置が試みられるなか、人工的に昏睡(こんすい)状態に置かれた。
ゲイルさんとヘザーさんは8月4日に多臓器不全で死亡。ドンさんも8月5日に肝移植がうまくいかず亡くなった。イアンさんは一命をとりとめ、約2カ月にわたる集中治療を経て9月下旬に退院した。
タマゴテングタケには肝細胞でのたんぱく質の生成を妨げる毒素が含まれており、摂取後約2日で細胞死が起きて、肝不全を引き起こす可能性がある。
タマゴテングタケは欧州原産だがオーストラリアの一部でも生息しているのが確認されている。
検察は裁判で、パターソン被告が科学情報サイトに掲載されたタマゴテングタケの生息地を見て、キノコを採取する機会があったと主張した。
有罪判決は、被告が23年4月と5月に二つの場所を訪れて昼食に使われたキノコを意図的に採取した可能性が高いとする検察の主張について、陪審が受け入れたことを示唆している。
パターソン被告は、4月28日に乾燥機を購入し、8月2日に廃棄物リサイクルセンターに廃棄したことを認めた。4月28日は携帯電話の電波によって、タマゴテングタケの生息地の近くにいたことが判明した。
乾燥機にはパターソン被告の指紋とキノコの残骸が残されていた。