ケニアで反政府デモ 11人死亡、567人逮捕
警察がデモ隊に放水銃を使用 ケニア
(CNN) 東アフリカ・ケニアの国家警察は7日、ケニア全土で行われた反政府デモで、少なくとも民間人11人が死亡したほか、500人以上を逮捕したと発表した。
今回のデモは、1990年7月7日の民主化要求デモ「サバサバ」から35年の節目に合わせて呼び掛けられたもので、汚職疑惑や警察の暴力、政府批判者の拉致をめぐり怒りを抱える若者が中心となった。警察は催涙ガスや放水車で対応した。
警察によると民間人11人が負傷したが、ケニア国家人権委員会(KNCHR)は負傷者を29人としている。警察によれば、逮捕者は合計で567人に上る。
ケニアでは昨年、生活費が高騰する中で増税を盛り込んだ財政法案に反発する抗議デモが起きた。政府は法案を撤回したが、その後も警察官による拘束中に教師が死亡した事案や、丸腰の露天商が警官に射殺された事件をめぐり国民の怒りが高まっている。
先月の反政府デモでは少なくとも16人が死亡し、数百人が負傷した。
首都ナイロビでは、市内に通じる幹線道路を封鎖してから数時間後、治安部隊が催涙ガスや放水銃でデモ隊を排除した。議会や大統領府周辺もバリケードが設置された。
7日午後には警察がデモ隊に発砲したとの報道もある。CNNは報道を確認できておらず、警察にコメントを求めている。
CNN提携局Citizen TVによると、国内で少なくとも5人が銃撃で死亡した。
SNSに投稿され、CNNが位置情報を確認した映像には、キアンブ郡で武装警官に囲まれた車から民間人が降ろされ、警官の一人にむちで繰り返し打たれる様子が映っている。民間人は頭部をかばっていたが、警官に脅威を与える行動は見られなかった。