オーストラリア、パレスチナ国家承認へ 主要同盟国内で米国の孤立深まる
(CNN) オーストラリアのアルバニージー首相は11日、9月にパレスチナ国家を承認すると発表した。イスラエルのパレスチナ自治区ガザ地区での行動に対する国際的な非難と怒りが高まる中、西側諸国には承認の動きが広まっている。
アルバニージー氏は記者会見で「オーストラリアは、パレスチナ自治政府から得た約束に基づき、パレスチナの人々が自らの国家を持つ権利を認める」と述べた。正式な承認は来月の国連総会で行われる見通し。
ニュージーランドのピーターズ外相も11日、パレスチナ国家の承認を検討しており、9月の閣議で決定すると述べた。
ニュージーランドのラクソン首相は記者会見で、ガザ地区の状況を「完全な人道的大惨事」と表現し、「時間をかけて決定を慎重に検討し、賢明な方法で解決することは全くもって適切だ」と述べた。
オーストラリアは、9月にパレスチナ国家を承認する計画を発表している英国、フランス、カナダに続いた形だ。この動きにより、米国は、約2年にわたる戦闘を経てガザへの軍事作戦を激化させるイスラエルを擁護する中、最も緊密な同盟国の一部から孤立を深めることになる。
オーストラリアのウォン外相は10日にルビオ米国務長官と電話会談を行い、今回の発表について事前に伝えたと明らかにした。
ルビオ氏は先週、カトリック系放送局EWTNとのインタビューで、パレスチナ国家の支持表明は「主に象徴的なものであり」、イスラム組織ハマスを「勢いづかせ、和平の実現を困難にする」だけだと述べた。
アルバニージー氏は、「2国家解決は、中東における暴力の連鎖を断ち切り、ガザの紛争の苦しみと飢餓に終止符を打つための人類にとっての最大の希望だ」と述べた。
「これは、地図に線を引くよりもはるかに大きな意味を持つ。ガザの人々に命綱を届けるものだ」