米国のイラン攻撃は「パンドラの箱」開ける恐れ 専門家が警鐘

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大統領専用機内で記者団に応じるトランプ米大統領=16日/Mark Schiefelbein/AP

大統領専用機内で記者団に応じるトランプ米大統領=16日/Mark Schiefelbein/AP

(CNN) 米国は、山奥に隠されたフォルドゥ燃料濃縮施設を含むイスラエルの主要核施設への攻撃の可能性を示唆し、イスラエルとイランの紛争への介入に近づいているようだ。

イスラエルによるイランとその核開発計画への攻撃が数日にわたり続く中、イスラエルの指導者らは、トランプ米大統領が攻撃の完遂を支援するかどうかを注視している。

協議に詳しい2人の当局者によると、トランプ氏は米軍の資産を使ってイランの核施設を攻撃することに前向きになりつつあり、外交的解決に難色を示している。

トランプ氏は18日、ホワイトハウスで記者団に「攻撃するかもしれないし、しないかもしれない。つまり、私が何をするかは誰にも分からない。一つ言えるのは、イランは多くの問題を抱えており、交渉を望んでいるということだ。なぜこれほど多くの死と破壊が起こる前に、私と交渉しなかったのか」と語った。

イランの専門家は、米国によるイラン攻撃は、イラクやアフガニスタンでの戦争よりもさらに困難な泥沼に引きずり込まれる恐れがあると警告する。それはトランプ氏の任期中、長期にわたって続き、イスラエルの要請に応じたことで米国の人命と資源に多大な犠牲を強いる対立となる可能性がある。

ワシントンのクインシー研究所執行副所長、トリタ・パルシ氏はCNNに対し、「米国によるいかなる攻撃も、イランによる地域内の米軍基地への全面攻撃、ひいては米イラン間の全面戦争を招く」と語った。

パルシ氏は、イランは米国との長期戦に耐えられないかもしれないが、米国にとっても容易な戦争にはならないとの見方を示す。

それは、イランが非常に大きな国であり、米国がイランの反撃能力を奪うには極めて多くの標的を攻撃しなければならないからだ。パルシ氏はトランプ陣営内でイランとの戦争に対する広範な支持が得られていないうちに、こうした事態が発生するだろうと指摘した。

欧州外交評議会の上級政策研究員、エリー・ゲランマイエ氏はCNNに対し、米国のイラン攻撃は「パンドラの箱」を開け、「トランプ大統領の残りの任期を食いつぶす可能性が高い」と話す。

「パンドラの箱を開けてしまえば、事態がどうなるか全く分からない」「トランプ氏は過去にイランとの戦争の瀬戸際から引いたことがある。彼には今回もそうする力がある」(ゲランマイエ氏)

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