グレートバリアリーフのサンゴ白化、過去最悪の水準に 新たな報告書で判明

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グレートバリアリーフ南部の白化したサンゴの上を泳ぐウミガメ/Rebecca Wright/CNN via CNN Newsource

グレートバリアリーフ南部の白化したサンゴの上を泳ぐウミガメ/Rebecca Wright/CNN via CNN Newsource

(CNN) オーストラリアを象徴するサンゴ礁「グレートバリアリーフ」は、その鮮やかな色彩と生物多様性でよく知られる。しかし昨年、海洋熱波によって広大な硬質サンゴの白化が起こり、過去最大の減少に見舞われた。新たな報告書で明らかになった。

2024年の夏は珍しい地球規模のサンゴ白化現象が発生。数十カ国に影響が及び、グレートバリアリーフは記録的な被害を受けた。海水温の上昇にエルニーニョ現象が重なり、ストレスを受けたサンゴは藻類を排出。色彩が失われた。

オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)が6日に発表した公式分析によると、グレートバリアリーフは三つの主要地域で硬質サンゴの被覆率が4分の1から3分の1減少した。特に深刻な被害を受けたサンゴ礁では、生きたサンゴの70%が失われた。

24年の白化現象は「(グレートバリアリーフで)これまで記録された中で最大の空間的影響を及ぼした」と報告書は指摘。「北部と南部における減少は、39年前に観察が始まって以来、単年では最大の規模だった」という。

CNNは24年にグレートバリアリーフ、25年にはオーストラリア西海岸のニンガルーリーフを視察。広範囲にわたる白化現象を目撃した。ある科学者はこの惨状を「海中の山火事」さながらと表現した。


海洋とグレートバリアリーフを上空から撮影した動画

2300キロメートルに及ぶ生態系の大規模損失は、特に打撃となる。サンゴはここ数年で著しく広がり、一部の成長の早いサンゴが以前の白化からの回復を後押ししていたからだ。

これらのサンゴは「極めて脆弱(ぜいじゃく)なことが知られており、あと一夏でも悪条件が続けば拡大分は失われる」と報告書は指摘する。昨年にはこうした懸念が現実のものとなり、成長の早いサンゴが最も深刻な影響を受けたという。

報告書は、「グレートバリアリーフが回復不能な地点に達する可能性が高まっている」と警鐘を鳴らしている。

約34万5000平方キロメートルの面積を誇るグレートバリアリーフは、世界最大のサンゴ礁であり、1500種以上の魚類と411種の硬質サンゴが生息している。

グレートバリアリーフは主に観光業を通じ、オーストラリア経済に毎年巨額の貢献をしている。オーストラリア及び世界でも有数の自然遺産として、外国人観光客への熱心な売り込みが行われている。

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