女性狙った殺人「フェミサイド」か、不審な包み持つ上司の映像拡散 メキシコ

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地元検察が公表したロレナ・ジャクリーヌ・モラレスさんの写真/Guanajuato Prosecutor’s Office

地元検察が公表したロレナ・ジャクリーヌ・モラレスさんの写真/Guanajuato Prosecutor’s Office

(CNN) メキシコでこのほど、女性を標的にした殺人「フェミサイド」と疑われる事件が発生した。不審な包み持って階段を上る元上司を捉えた監視カメラの映像が拡散しており、検察が調べを進めている。

殺害されたのはグアナフアト州レオンに住み、食料品店で働いていたロレナ・ジャクリーヌ・モラレスさん(28)。当局によると、5月23日に家族から行方不明届が出された。

検察によると、モラレスさんの遺体は今月3日、スーツケースの中から発見された。事件は国内に衝撃を与え、メキシコにおける女性への暴力の現状が浮き彫りになった。

検察は遺体発見の同日、モラレスさんの元上司である容疑者を逮捕した。

検察の報道官は5日、CNNの取材に対し、拡散した動画はモラレスさん殺害事件で捜査対象になっていると説明。それ以上の詳細は明らかにしなかった。

監視カメラの映像には、元上司がアパートに入っていき、布で覆った物体を持って階段を上る様子が映っている。

その後、車のそばにいる男が重いスーツケースをトランクに押し込もうと苦心している姿も確認できる。

地元検察はCNNに対し、容疑者の姿を捉えた監視カメラの映像が捜査対象になっていることを確認した/From social media
地元検察はCNNに対し、容疑者の姿を捉えた監視カメラの映像が捜査対象になっていることを確認した/From social media

映像の左上隅に入ったタイムスタンプから、撮影日時は5月22日とみられる。映像の前後に何が起きたのかは不明だ。

グアナフアト州の知事は今回の事件について、女性を標的とした殺人「フェミサイド」として捜査すべきだとの認識を示した。

メキシコは長年、殺人事件や女性に対する暴力のまん延に苦慮してきた。

女性絡みの殺人がすべてフェミサイドに当たるわけではないが、多くはフェミサイドに該当する。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、2020年には女性殺害事件の4分の1がフェミサイドとして捜査され、メキシコ国内の32州すべてで事例が報告された。

メキシコ政府の統計によると、昨年報告があったフェミサイドの件数は全国で847件。今年1~3月では162件に上る。

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