日本の「キラキラネーム」に新ルール、一部認められないケースも
東京(CNN) 日本に行けば「ナイキ」、「ピカチュウ」、「プリン 」といった変わった名前の人に出会う可能性がある。
依然として少数派ではあるが、こうした名前はここ数十年で人気が高まっている。親たちが伝統的な日本名ではなく、よりユニークな名前を求めるようになったことが背景にある。
しかし、この習慣は批判も呼んでいる。病院や学校などでこれらの名前をどう発音していいかわからず混乱が生じるというのが主な理由だ。
政府はここへ来て、俗に言う「キラキラネーム」への対応に動いている。26日には新しいルールが施行され、親が型通りではない発音で赤ちゃんに名前をつけることに関して一定の制限が設けられた。
一部のソーシャルメディアユーザーは、キラキラネームは個人主義の表現であり無害だと指摘。政府の規制を受ける必要はないと主張した。
しかし、多くの人々はこの変更を歓迎している。彼らは珍しい名前を持つ子どもたちが嫌がらせを受けたり、登録作業や銀行業務などが煩雑になることにかねて懸念を抱いていた。
「キラキラネーム」の仕組み
日本では多くの場合、漢字、平仮名、カタカナの三つの文字が使われている。名前は一般的に漢字で表記されるが、ここで問題が発生する。
それぞれの漢字には発音の仕方が複数存在する場合があり、中には10通り以上の読み方が可能な漢字もある。これらの漢字を読む際には文脈を手がかりに、文内の他の文字とも照らし合わせながら、「正しい」発音を突き止める作業が必要になる。
近年になって流行したキラキラネームでは、親が望む名前に音の響きが似ている漢字を当てることが多い。
問題は、当該の漢字が通常そのように発音されるとは限らないということだ。教師や看護師にとっては漢字を見ただけでその子どもの名前を正しく呼ぶのが至難の業、あるいは全く不可能になる。
政府の新しいルールは、こうした事態に一定の歯止めをかける目的から、広く受け入れられている漢字の読み方のみを子どもの名前として認めるとしている。
親は赤ちゃんの出生届に名前の読み仮名を記入する必要があり、もしその名前の読み方が一般的な漢字の発音と一致しないと判断された場合、その名前は却下されるか、追加書類を要求される可能性がある。
過去数十年間の地方自治体の広報誌に掲載された赤ちゃんの名前を分析した2022年の調査によると、この40年間でますます多くの人が変わった名前をつけられていることが明らかになった。
この傾向は、日本人が「独自性と独立性」を求めるようになったことを示唆しているとみられる。同時期には家族構成や社会的価値観など、日本人の生活の他の部分においても変化が生じているという。
調査からは、とりわけ女の子の間でキラキラネームが増加していることもわかった。これはこの時期の親たちが「個性的かつ自立した人間になってほしい」との願いを男の子よりも女の子の方に強く抱いていた可能性を示唆している。