(CNN) パキスタンのシャリフ首相は7日、パキスタンおよびカシミール地方のパキスタン実効支配地域に対して行われたインドの攻撃に対応すると明言した。
その対応が何を意味するのかによって、両国が出口を見つけられるのか、あるいは対立が激化し続けるのか決まることになるかもしれない。
パキスタンにとって選択肢の一つは、撃墜したと主張している戦闘機を提示して勝利を宣言することだ。この選択肢は、フランス製のラファール戦闘機3機を含む5機のインド空軍機を撃墜したというパキスタン側の主張が真実かどうかにかかっている。
もし、実際にインド空軍機が失われたのであれば、「パキスタンはたとえ状況があいまいであったとしても、撃墜した資産を理由に勝利を主張できるだろう。このことで、パキスタンは、インドの軍事拠点に損害を与えたと主張できる」。カーネギー国際平和財団の南アジアプログラム担当ディレクター、ミラン・バイシュナブ氏はそうした見方を示す。
二つ目の選択肢はパキスタン側から攻撃を実施することだ。ブルッキングス研究所外交政策プログラムの上級研究員タンビ・マダン氏によれば、インドによる攻撃の一部がパキスタンでも人口の多いパンジャブ州を襲ったため、パキスタンが「同種の報復」を決意するかもしれないという。
あるいは、インドとパキスタンが最後に衝突した2019年当時の責任者よりも「積極的」と評判のパキスタン軍トップ、アシム・ムニール氏が「賭け金をつり上げたい」と決断するかもしれない。マダン氏が指摘した。
しかし、インドは、パキスタンの次の行動が過剰な場合には報復すると明言しており、パキスタン政府はいかなる対応も「一定の閾値(いきち)以下」に抑えると判断する可能性がある。
パキスタンのアシフ国防相は、民間人ではなく、軍事目標だけを攻撃すると明らかにしている。
マダン氏は、パキスタンの最新の発言は、慎重な対応を検討していることを示唆しているものの、いかなる可能性も排除できないとした。
「過去の事例を踏まえれば、両国は、より大規模な戦争を望まない合理的な当事者だ。いずれも紛争が拡大すれば失うものがある」(マダン氏)
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本稿はCNNのアディティ・サンガル記者による分析記事です。