冷戦時代のリアル「トップガン」、30分でソ連のミグ4機撃墜も戦闘の事実を50年口外せず

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ソ連軍機と空中戦を戦った自機のレプリカと共に写真に収まるR・ウィリアムズさん/From Royce Williams/Facebook

ソ連軍機と空中戦を戦った自機のレプリカと共に写真に収まるR・ウィリアムズさん/From Royce Williams/Facebook

韓国・ソウル(CNN) ロイス・ウィリアムズ(97)さんは、まさに実在する「トップガン」だった。トム・クルーズが生まれる10年前のことだ。

1952年11月のある肌寒い日、ウィリアムズさんはソ連のジェット戦闘機4機を撃墜し伝説になったが、その事実は50年以上誰にも知られることがなかった。

元海軍飛行士として、ウィリアムズさんには今月20日の式典で海軍十字章が授与された。同軍で2番目の高位に当たる勲章だ。

以下、ウィリアムズさんがどれだけの功績によりこうした名誉を獲得するに至ったのかを見て行こう。

数でも性能でも劣勢

52年11月18日、ウィリアムズさんは米海軍のジェット戦闘機「F9Fパンサー」を操縦し、朝鮮戦争中の任務に従事していた。

発艦した空母「オリスカニー」は、朝鮮半島から約160キロ沖合の日本海に配備されていた。

当時27歳のウィリアムズさんと他3人のジェット戦闘機パイロットに下った命令は、朝鮮半島最北部での空中警戒待機だった。近くには北朝鮮と中国を隔てる鴨緑江が流れる。そこから北東に位置する当時のソ連は、朝鮮戦争で北朝鮮を支援していた。

4機の米海軍機によるパトロール飛行中、編隊のリーダーは機体に技術的な問題が発生したため、僚機と共に沖合の特別部隊へ帰還した。

結果的に、ウィリアムズさんの機体とその僚機のみが警戒任務に残った。

そこで2機に衝撃が走る。ソ連のジェット戦闘機「ミグ15」が7機、米軍の特別部隊に向かうのを確認したのだ。

「それまで彼らはロシアから出てこなかった。我が軍と交戦することもなかった」。2021年の米退役軍人センターとのインタビューで、ウィリアムズさんはそう語っている。

注意深い特別部隊の司令官はウィリアムズさんら2機に対し、ミグと米艦隊の間に割って入るよう命じた。

命令を遂行しようとしたところ、ミグ4機がウィリアムズさんの方へ向きを変え、射撃してきたという。

ウィリアムズさんも編隊最後尾のミグに向かって射撃。相手は編隊を離れ、ウィリアムズさんの僚機がその後を追った。

その時、米軍司令官は空母からウィリアムズさんに対し、ソ連と交戦しないよう命じた。

「『もう交戦中だ』と答えた」。ウィリアムズさんはインタビューで、そう当時を振り返っている。

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