南ア総選挙、始まる　３０年続く与党に過半数割れの可能性

南アフリカ・ヨハネスブルク（ＣＮＮ） 南アフリカの何百万人もの人々が投票を行っている。今回の選挙は、アパルトヘイト（人種隔離）政策の撤廃以来、最も重要な総選挙になるとみられている。

世論調査では数カ月前から、マンデラ元大統領が１９９４年に政権を握って以来、与党アフリカ民族会議（ＡＮＣ）が過半数を失う可能性があることを示している。

南アフリカでは世論調査が難しいこともあるが、ほとんどのアナリストは国民が国の方針に大きな不満を抱いていることからＡＮＣはこれまでで最も厳しい試練に直面していると考えている。ＡＮＣへの支持が初めて５０％を下回れば、同党は連立政権を組まざるを得なくなる。

ＡＮＣの党首であるラマポーザ大統領は２５日、サッカースタジアムで何千人もの聴衆を前に演説を行い、２９日の投票を「わが国の歴史で最も重要な選挙の一つ」と呼んだ。

ラマポーザ氏は２９日、ヨハネスブルク郊外のソウェト地区の投票所で投票し、記者団に対し、有権者が再びＡＮＣを信頼することに「何の疑いもない」と語った。

世界銀行によると、南アフリカは世界で最も不平等な国だ。国民は世界で最も高い失業率、蔓延（まんえん）する汚職、経済の低成長、壊滅的な停電、暴力犯罪の増加に直面している。

南アの人口の８１％を占める黒人は、この悲惨な状況の最前線に立たされている。失業と貧困は依然として黒人に集中しており、その主な原因は公立学校の不備だ。一方、白人のほとんどは仕事を持ち、相当の高収入を得ている。