紅海の海底ケーブルが損傷、インターネット寸断

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ロンドン(CNN) 紅海の海底ケーブルが損傷し、複数の通信ネットワークが寸断されていることが分かった。プロバイダーはインターネット・トラフィックを含め、アジアと欧州、中東を結ぶトラフィックの4分の1でルート変更を迫られているという。

香港の通信企業HGCグローバル・コミュニケーションズによると、4大通信会社が所有するケーブルが「切断」され、中東の通信ネットワークに「大きな」寸断が生じている。

HGCの推計によると、中東だけでなく、アジアと欧州を結ぶトラフィックの25%が影響を受けたとされる。HGCは4日に声明を発表した。

HGCは顧客への混乱を最小限にとどめるため、トラフィックを別ルートに変更する対応を取っているほか、「影響を受けた企業に支援を提供している」という。

HGCはケーブルが損傷した経緯や、誰の仕業かには言及しなかった。

影響を受けたケーブルの一つを保有する南アフリカのシーコムはCNNの取材に対し、当該地域での活動許可の取得に時間がかかることから、修復作業が始まるのは少なくとも1カ月後になる見込みだと明らかにした。

海底ケーブルはインターネットを動かす縁の下の力持ち的な存在で、近年ではグーグルやアマゾン、フェイスブックを傘下に持つメタなどのIT大手が資金を拠出している。2006年に台湾で起きた地震の後のように、こうした海底ケーブルが損傷すれば広い範囲でインターネット障害が発生する恐れがある。

イエメン政府の当局者は数週間前、同国の反政府武装組織フーシがケーブルを狙う可能性について警告していた。イランを後ろ盾とするフーシはすでに、紅海の商船への攻撃により世界のサプライチェーン(供給網)に混乱を引き起きしている。

イスラエルのメディア「グローブス」では先週、フーシがケーブルの損傷に関与したことを示唆する報道が出た。一方、フーシの指導者アブドルマリク・フーシ氏は疑惑を否定。「この地域の国にインターネットを提供する海底ケーブルを狙う意図はない」としている。

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