パレスチナ首相が辞意表明 米国から改革の要求受ける中
(CNN) パレスチナ自治政府(PA)のシュタイエ首相が26日、同政府のアッバス議長に辞意を表明したと発表した。フェイスブックへの投稿で明らかにした。
PAはイスラエルの占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の統治を巡り、米国から改革と改善を求める圧力に直面している。米国の政治家のほかパレスチナ人自身も、かねてPAを腐敗した政府と見なしている。
「ファタハ」を主流派の政党とするPAは、2007年にイスラム組織「ハマス」が実効支配するまでパレスチナ自治区ガザ地区の行政を統括していた。イスラエルは今回のイスラエルとハマスによる紛争後、PAがガザの統治に復帰する計画を拒絶している。またパレスチナ国家を創設する考えも退けている。
しかし米国は、改革を果たしたPAがヨルダン川西岸地区とガザ地区の両方を統治し、両地区がその後独立した国家の一部となるのが望ましいとしている。
19年に首相に任命されたシュタイエ氏は昨年10月、CNNの取材に対し、米国を抜きにしてイスラエルとパレスチナの紛争解決は不可能だと指摘。ただ現行の米政権については、紛争を終わらせる政治的意志がなく「それを維持している」との認識を示した。
PAはパレスチナ人からも極めて不人気で、西岸地区に対するイスラエルの再三の侵入に対し安全を提供できていないというのがその理由だ。昨年12月に行われたパレスチナの団体による調査の結果、60%以上のパレスチナ人がPAの解体を望んでいることが明らかになった。
05年から就任しているアッバス議長に対しても、西岸地区では回答者の92%が辞任を求めていた。