燃料不足で給水できず、汚水や海水を飲むガザ住民

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エジプトからパレスチナ自治区ガザ地区に入る支援物資を搭載したトラック=21日/Mohammed Abed/AFP/Getty Images

エジプトからパレスチナ自治区ガザ地区に入る支援物資を搭載したトラック=21日/Mohammed Abed/AFP/Getty Images

「燃料は水」

救援物資に含まれていない必需品が燃料だ。燃料不足により、ガザの給水システムは崩壊している。

「燃料は水だ」とCSISのホール氏は言う。「燃料を断つことは水を断つことだ」

水衛生と公衆衛生を専門とするジョンズ・ホプキンス大学のケロッグ・シュワブ教授によれば、水は非常に重いため、恐ろしいほどエネルギーを食う。水1リットルの重量は1キログラム。水の移動には「大量のエネルギーを必要とする」とシュワブ教授はCNNに語った。

ガザ市民にとって、電力不足は断水を意味する。「運よく井戸があっても、電気がないために上階までくみ上げることができない」とシャンティさんは語った。

ガザ市民の多くが水を容器にためる際に拠り所にしているのが給水トラックだ。だがガザを拠点とする独立シンクタンク「パルシンク」の創設者オマル・シャバン所長によれば、燃料不足と空襲のためにトラックのほとんどが一般世帯のもとへ行くことができない。

飲料水の生産にも燃料が欠かせない。

ガザ地区にある5カ所の水処理施設はすべて稼働を停止し、3カ所ある淡水化処理施設も2カ所が運休中だ。残る1カ所の大規模な淡水化施設は1週間ほど閉鎖されていたが、21日に運転を再開した。だが稼働率は通常の生産量の7%未満だ。小規模な淡水装置もいくつか稼働を続けているものの、給水は一部地域に限られ、十分とは言えない状態だ。

PWAのグナイム所長は23日、ガザの燃料供給は48~72時間以内に底をつきかねないと語った。

疾病の懸念も高まっている。人々は最後の手段として容器に水をため、ちびちび使うようにしている。「そうした水はあっという間に再汚染する可能性がある」とシュワブ教授は言う。道路には下水があふれ、被災したガザ市民でごった返すシェルターは十分な衛生状態が整っていない。

専門家が恐れているのは、コレラや赤痢など水を媒介とする感染症の蔓延(まんえん)だ。感染が拡大すれば、すでに崩壊寸前の医療システムにさらに負担がのしかかる。

病院は「切迫した水と衛生の危機」に直面しているとWHOのピーパーコーン氏は言う。一部の病院では水が足りないため、手術器具の殺菌もままならない。

CNNはガザ地区の水と燃料の状況についてイスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)にコメントを求めたが、いまだ返答は得られていない。

イスラエルは燃料がハマスの戦争努力に利用されると度々口にしてきた。イスラエルのネタニヤフ首相の上級顧問を務めるマーク・レゲフ氏は23日、CNNの取材に対し、「燃料は供給しないというのが政府の決定だ。ハマスが燃料を奪い、その燃料でイスラエルにロケット弾を発射してイスラエル国民が死ぬことになるからだ」と発言した。たとえ人質全員が解放されたとしても、イスラエルは燃料を渡さないとも語った。

その後、イスラエル軍のハレビ参謀総長が態度の軟化を示唆した。ハレビ氏は22日午後に生放送されたTV演説で、「民間人の治療に燃料が必要な場所には燃料が行き渡るようにする。ハマスの手に渡ってイスラエル国民への攻撃が続くようなことにはさせない」と発言した。だが具体的にいつ、どのように燃料を配給するかについては触れなかった。

燃料がなければ安全な飲料水が枯渇すると国際機関も警鐘を鳴らす。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は、「幼い子どもも含め、深刻な脱水症状で死ぬ人が出てくるだろう」と発言した。

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