飢餓状態悪化のガザで食料配給再開、住民殺到で混乱

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ガザの物資配給所に殺到する人々

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区南部で27日、数カ月ぶりに食料など支援物資の配給が再開された。イスラエルが確立して米国が承認した新たな仕組みに基づく配給は、数千人の住民が殺到して混乱状態に陥った。

ガザ人道支援団体のGHFが運営する配給所で撮影された映像には、住民が詰めかけてフェンスをなぎ倒したり、雑踏整理の柵をよじ登ろうとしたりする様子が映っている。

「米国人と軍隊が包囲する場所にたどり着いた。近寄ろうとしたけれど人が多すぎて何も手に入らなかった」とワフィク・クデイさんは話す。「イスラエル軍が宙に向けて発砲し、米国人や職員が後退したので、支援物資の配給ができなくなった。彼らは秩序を望むけれど、みんな食べ物と水を求めて必死なので、秩序などない」

CNNの取材に応じた住民は、食料支援はありがたいが、遠くから歩いて配給所までたどり着き、長蛇の列に並んで混乱に巻き込まれたと話している。

イスラエルによる人道支援の封鎖は11週間に及び、200万人あまりのガザ住民は飢餓寸前に追い込まれて人道危機が一層深刻化していた。

パレスチナの非政府組織(NGO)代表は「イスラエルが人道原則に反して支援を封鎖し、飢餓をあおっておきながら、このようなやり方の配布が通用すると考えているのなら、それは間違いだ」と批判している。

GHFによると、これまでにガザで配給した食料は約8000箱、計46万2000食。配給量は毎日増やし、今週末までにはガザの人口の60%にあたる120万人に届けることを目指す。

配給場所はガザ南部と中部であと3カ所増やす予定。しかしガザ北部では配布せず、専門家や国連が強く非難している。

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