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黒海での反撃で活躍するウクライナ無人艇、開発の現場を取材 CNN EXCLUSIVE

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無人艇開発の現場は ウクライナ

ウクライナ(CNN) 仮設の極秘軍事基地に、何の変哲もないワゴン車とピックアップトラックがトレーラーをひいてやってきた。荷台の上には、防水シートに覆われた二つのグレーの物体が積まれている。

激しい土砂降りの中では、物体はまるでボストンホエラー社製のボートのようだ。ウクライナがひた隠しにする秘密兵器にはとても見えない。

CNNは、ある湖のほとりにたたずむ軍事基地の独占取材を許可された。そこではウクライナが誇る海上(あるいは水上)ドローン(無人艇)の試験が行われていた。

防水シートをめくると、流線型をした鈍銀の船体が現れた。全長5メートル強の細身の艇は、幅広のカヌーに似ている。

これまでメディアには一切公開されなかった水上ドローンのおかげで、ウクライナ軍は次第に黒海やクリミア半島でロシア軍に対する攻撃や監視を行えるようになっている。実際の艦隊を持たないウクライナは、数の上でロシアに劣り、自国沿岸部で劣勢に立たされている。だがロシアに対抗する上で、水上ドローンが欠かせないツールであることが証明されつつある。

ウクライナ政府系募金組織「United24」は世界中の企業や個人から資金を調達し、集めた募金を防衛からサッカーの試合まで様々な取り組みや開発に分配してきた。

関係者はみな安全対策に神経をとがらせ、撮影や身元特定に関する厳格なガイドラインを守るよう要求した。今回CNNが取材した人物はフルネームだけでなく、ウクライナ軍での階級さえも公表を拒んだ。

きしみ音を鳴らす木造の桟橋で、迷彩服を着た水上ドローンのパイロットは「シャーク」と名乗った。シャークの前には細長い黒のアタッシュケース。中はマルチスクリーンの特製コントロールパネルになっている。手の込んだゲームコントローラーといった様相で、複数のレバーやジョイスティック、モニター1台がずらりと並ぶ。「起爆」などのラベルが貼られたボタン類には、うっかり押してしまわないようカバーがついている。

匿名希望のドローン開発者は、水上ドローンの開発に着手したのは戦争が始まってからだと明らかにした。開発は「非常に重要だった。我が国には海洋国家ロシアに対抗できるほどの十分な兵力がなかったからだ。それまで対抗能力がなかったため、ウクライナ製のものを開発する必要があった」と述べた。

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