トランプ氏、イスラエルの行動に「不意を突かれる」 ネタニヤフ氏への懐疑的な見方強まる
(CNN) トランプ米大統領が先週、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区とシリアでの軍事行動に「不意を突かれた」とし、いずれの場合もイスラエルのネタニヤフ首相に電話をかけて事態の「是正」を要請していたことがわかった。ホワイトハウスが明らかにした。
複数の情報筋によれば、こうしたやりとりは、両首脳の関係が緊張を増していることを示唆している。
17日にガザで唯一のカトリック教会が攻撃されたことを受け、トランプ氏は即座にネタニヤフ氏に電話して、不快感を伝えるとともに、イスラエル側が「誤り」であったとする声明を出すよう要請した。
トランプ氏は、米国が復興支援に取り組むシリアの首都ダマスカスで、イスラエル軍が政府関連施設を空爆したことにも驚かされたという。
ホワイトハウスのレビット報道官は21日、トランプ氏とネタニヤフ氏が良好な関係を築き、頻繁に連絡を取り合っているとした上で、「シリアでの爆撃、そしてガザのカトリック教会への爆撃に大統領は不意を突かれたようだ」と記者団に語った。
レビット氏によれば、トランプ氏はいずれの件でもネタニヤフ氏にすぐに連絡し、事態の是正を求めた。
レビット氏はまた、米国のルビオ国務長官が主導するシリアでの緊張緩和の取り組みにも言及した。トランプ氏はシリアへの制裁を一部緩和したほか、反体制派出身のシャラア大統領に対する支持を表明している。
トランプ氏は今月初め、ネタニヤフ氏をホワイトハウスに迎えているが、両者の関係はこれまでも複雑なものとされてきた。情報筋によれば、両国が強固な同盟関係にある一方で、2人は個人的な親密さに欠け、ときには相互不信に陥ることもあるという。
それでも、今夏にトランプ氏がイスラエルの対イラン空爆作戦に加わったことで、両者の関係はかつてなく接近しているとみられていた。ホワイトハウスで開かれた夕食会では、ネタニヤフ氏がトランプ氏をノーベル平和賞に推薦する書簡を披露する一幕もあった。
トランプ氏は、ネタニヤフ氏の4日間の訪米により、イスラム組織ハマスが人質を解放し、ガザへの人道支援を大幅に拡充することを含む停戦合意が実現することを期待していた。
しかし、ネタニヤフ氏は合意の発表なしに帰国。仲介国がハマスに最新の提案を提示してから約1週間が経つが、いまだハマス側の正式な返答はないという。交渉の詳細を知る情報筋2人がCNNに語った。