プーチン氏のマリウポリ訪問、権力掌握をロシア国内に誇示か

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ウクライナ南部の占領地マリウポリで住民らに手を振るロシアのプーチン大統領=19日/Pool/AP

ウクライナ南部の占領地マリウポリで住民らに手を振るロシアのプーチン大統領=19日/Pool/AP

(CNN) ロシアのプーチン大統領がこのほど、ウクライナ南部の占領地マリウポリを訪問した。多くの死者を出した包囲戦の後、ウクライナ軍の最後の拠点だった製鉄所「アゾフスターリ」の「解放」をロシア軍が宣言してから約10カ月後の訪問となった。

しかし、プーチン氏がある意味で明白な宣伝活動を行うのに、なぜこれほどの時間がかかったのかという疑問が残る。

マリウポリは今回の戦争でロシアにとって最大の成果であり、掌握後の占領をなんとか継続している唯一の大都市でもある。たとえば、ロシア軍は昨年11月、ヘルソン市からの撤退を余儀なくされている。

治安に対する懸念があった可能性がある。プーチン氏は今月に入り、ロシア南部の戦車工場への訪問を取りやめていた。ロシアの治安当局が、ウクライナの武装した小集団が国境を越えて民間人2人を殺害したと主張したことを受けての訪問取りやめだった。

街の破壊の程度が激しかったために、写真撮影の際に背景として使えるような十分な再建が行われるまでに、これだけの時間がかかったという可能性もある。今回のプーチン氏の訪問で公開された映像は全て日没後のものだった。

マリウポリ訪問に向けた作業が、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン氏への逮捕状を出す前から進められていたのなら、そのことが決意を固めることにつながった可能性がある。

マリウポリ訪問は、プーチン氏がクレムリン(ロシア大統領府)に閉じこもっていないことを世界に示すための低リスクの機会だ。また、ロシアの国民に対しては、プーチン氏が実権を握っており、自分で車を運転しながら市内を回れるほど若々しく元気であるほか、ロシアに違法に併合したウクライナの領土の統合と再建に注力していると示すことができる。

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