ロシア侵略による生態系被害は4.6兆円 ウクライナ主張

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鹵獲(ろかく)したロシア軍の戦車を運転するウクライナ軍兵士=2022年10月、ウクライナ・ハルキウ州/Clodagh Kilcoyne/Reuters

鹵獲(ろかく)したロシア軍の戦車を運転するウクライナ軍兵士=2022年10月、ウクライナ・ハルキウ州/Clodagh Kilcoyne/Reuters

(CNN) ウクライナのレズニコウ国防相は5日までに、ロシアの侵略でウクライナの生態系が被った損害は推定で353億米ドル(約4兆6000億円)相当に達するとの見方を示した。

SNS上で1977年に採択されたジュネーブ諸条約の追加議定書に触れ、広さ数百万ヘクタール規模の自然保護地域が脅威にさらされていると主張。同議定書の55条は報復行為としての自然環境に対する戦争行為は禁じているもののロシアは無視していると断じた。

ウクライナ環境保護・天然資源省は、(ロシアの)敵対行為は気候変動の危機を深めていると指摘。「二酸化炭素や他の温室効果ガスの大気への放出を相当な規模でもたらしている」と続けた。

同省の最新分析によると、ウクライナ戦争で排出された温室効果ガスは3300万トン規模に直接つながった。この量の内訳にも触れ、戦闘行為、国内避難民の移動や国内各地での火災などに言及した。

CNNは昨年5月、ウクライナ内の肥沃(ひよく)な土壌などがミサイル攻撃、軍装備品や弾薬の消費などに根差す重金属や潜在的な有害物質の漏出で汚染されているとの現状を報じた。

漏れた燃料油が地下水を汚し、戦車や他の重火器などが生態系を破壊し、戦争が終結してもこの悪影響は数十年にわたって続くとも予想した。

首都キーウに拠点がある水資源保護などを手がける非営利研究機関はウクライナの多くの地域の住民による水資源の入手手段が相当に悪化したとの報告書も公表。ロシア軍の侵略行為で水処理や浄水の施設は壊され、特に飲料水の発生源となる環境生態系が汚染される被害が出たとも指摘していた。

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