ウクライナ軍の反攻、「わずかに減速」 大統領顧問
(CNN) ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は、ウクライナ軍はロシア軍に実効支配された東部の解放を続けているものの、反転攻勢の勢いは「わずかに減速した」と述べた。
アレストビッチ氏はCNNの取材に対し、「反攻は続いているものの、わずかに減速した。なぜなら、ウクライナ軍の大部分がルハンスク州への道を切り開くため、リマン市の奪還に向けて戦闘を行っているからだ。我々は攻撃を強化して、別の方法で新たに領土を解放する」と述べた。
リマンは鉄道の要衝で、戦略的に重要なセベロドネツク市の西約60キロに位置する。
ウクライナのゼレンスキー大統領によれば、ウクライナ軍は9月に入り、6000平方キロの領土を奪還した。アレストビッチ氏も「4日間で300以上の集落」を解放したと述べた。
ゼレンスキー氏によれば、今回の反転攻勢は数カ月にわたって準備を進めてきていた。偵察を行い、米軍からの情報も活用したという。
アレストビッチ氏は今回の反攻でウクライナ軍はおよそ3旅団を支援できるだけのロシア軍の兵器を確保したと述べた。アレストビッチ氏によれば、ロシア軍は多大な被害を被ったほか、一部の兵士についてはウクライナ軍が戦争捕虜として捕らえた。アレストビッチ氏は戦争捕虜について、ジュネーブ条約での権利が保障されるのかと質問されると「完全に」と答えた。
アレストビッチ氏は、ウクライナ軍は偽の情報を利用し、ウクライナ軍が南部のヘルソン市を攻撃しようとしているとロシア軍に思わせたと述べた。
「彼らは我々がヘルソン市に対し主要な攻撃を始めると考えていた。我々は実際にヘルソンへの攻撃を開始したが、これは支援のための攻撃で主要な攻撃ではなかった。主要な攻撃は東部で行い、ロシア軍はこれに完全に驚いた。なぜなら、2カ月前、我々はヘルソン州のことだけを話していたからだ。これこそが、ロシア軍が4カ月間にわたって維持しようとした領土を4日間で解放できた理由だ」(アレストビッチ氏)