深夜に鍵を破って92歳女性を連行、相次ぐ高齢者の強制隔離に不安増大 上海

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新型コロナ患者の臨時医療施設で眠る男性=19日、中国・上海/Ray Young/ Feature China/Future Publishing/Getty Images

新型コロナ患者の臨時医療施設で眠る男性=19日、中国・上海/Ray Young/ Feature China/Future Publishing/Getty Images

高齢者の中には抵抗しようとする人もいる。SNSに投稿された複数の動画に映った女性は、隔離施設を出て近所の集合住宅に入ろうとしている様子だった。女性は歩き回りながら、施設に女性を連れ戻そうとする防護服姿の職員と言い争っていた。CNNはこの状況について地元当局に取材を試みたが、電話に応答はなかった。

中国政府の新型コロナ対策を率いる孫春蘭副首相は18日、陽性者および濃厚接触者は誰であれ、「例外なく、容赦なく、遅滞なく」隔離施設に送ると断言した。16日のインタビューの中で孫氏は、上海の市中感染は間もなく収束するだろうとの見通しを示し、症例は隔離施設内のみで検出されるようになるだろうと語った。

新型コロナウイルスのオミクロン変異株が猛威を振るう中、上海当局には封じ込めに向けたとてつもない圧力がのしかかっている。自宅からの外出を禁じる厳格なロックダウン(都市封鎖)が何週間も続いているにもかかわらず、これまでに確認された感染者は43万人以上。食料や医薬品の確保が難しくなる中で、住民の不満は高まっている。

市中感染の収束を目指した今回の取り組みは、その怒りを募らせる効果しかなかった。急ごしらえの隔離施設で高齢者が適切な介護を受けられないことを不安視する声も多い。満員状態の劣悪な環境で、医療機器や医師、看護師が不足している施設もある。

米シンクタンク、外交問題評議会の専門家は「80代、90代の高齢者が隔離施設で相互感染して死亡するリスクの方が、自宅で自己隔離するリスクよりも大きい」と述べ、「そうした高齢者の多くは特別な療養を必要とする基礎疾患をもっている。だが隔離施設でそうした療養は受けられそうにない」と指摘した。

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