熱帯低気圧「アナ」の死者80人以上に アフリカ南部
(CNN) 欧州委員会人道援助・市民保護総局(ECHO)は28日、アフリカ南部を今週襲った熱帯低気圧「アナ」について情報を更新し、これまでに80人以上が死亡したと明らかにした。
ECHOの最新の発表では死者が出た地域の内訳を明らかにしていないものの、これより前、最悪の被害が出た島国マダガスカルで少なくとも41人が死亡、11万人以上が被災したと述べていた。
マダガスカルでは長引く干ばつの影響で国民が飢餓寸前に追い込まれている。
南アフリカ気象当局によると、アナは24日にモザンビークのアンゴチェに上陸し、マラウイとマダガスカルにも直撃した。
ECHOによると、モザンビークでは少なくとも15人が死亡、4万5000人以上が被災。マラウイでは少なくとも11人が死亡、21万7000人近くが被災した。豪雨により河川の氾濫(はんらん)が発生したほか、洪水や地滑りで死者や広範な被害が出ているという。
アナの勢力は弱まったものの、南アフリカ気象当局によると、マラウイとザンビアは週末にかけてさらなる豪雨に見舞われる可能性がある。
世界食糧計画(WFP)の報道官はCNNに対し、農地や主要インフラ、民家が被害を受けたと説明。「アフリカ南部の国は近年、猛烈な嵐やサイクロンにたびたび襲われている。食料安全保障への影響や生活手段の破壊が発生し、大勢の人が避難を余儀なくされている」と述べた。