ドバイ首長に830億円超の支払い命令、離婚調停で英史上有数の高額和解

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ハヤ元妃(写真左)=2020年2月、英ロンドンの高等裁判所/Peter Summers/Getty Images

ハヤ元妃(写真左)=2020年2月、英ロンドンの高等裁判所/Peter Summers/Getty Images

(CNN) 英国の裁判所は21日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのムハンマド首長に対し、元妻のハヤ元妃(47)に米ドル換算で約7億2800万ドル(約830億円)超を支払うよう命じる判決を言い渡した。英国の離婚調停では史上有数の高額和解となる。

和解金はハヤ元妃の生涯にわたる警護費用に充てられるほか、ムハンマド首長とハヤ元妃の間の9歳と14歳の子ども2人のために使われる。前金の2億5150万ポンドは3カ月以内に支払う必要がある。

ムハンマド首長はさらに、子どもの警護費用も2人の生涯にわたり、あるいは裁判所がさらなる命令を言い渡すまで、負担する必要がある。

判決の中でムーア裁判官は、ほかならぬムハンマド首長こそが、ハヤ元妃と2人の子どもの安全を脅かす最大の脅威になっていると認定した。

10月に明らかになった裁判書面によると、ムハンマド首長は政府のみが利用できるスパイソフト「ペガサス」を利用してハヤ元妃やハヤ元妃の側近を監視するなどの行為を通じ、ハヤ元妃を脅していたとされる。

裁判ではムハンマド首長とハヤ元妃の結婚生活に関する詳細も明らかになり、ハヤ元妃が警護要員との不倫関係をめぐる口封じのため、この要員を含む4人に約670万ポンドを渡したことを裏付ける証拠も提示された。

判決を受けてムハンマド首長の報道官は「裁判所が金銭面に関する判断を示した。それ以上のコメントはしない意向だ」と述べ、「メディアに対して子どもたちのプライバシーを尊重し、英国での私生活に干渉しないよう求める」とした。

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