自衛隊による昨年の米軍防護は25回、「厳しい安全保障環境」で増加

合同演習中の航空自衛隊戦闘機F2と米軍の爆撃機B1及び戦闘機F16(20年4月)/Tech. Sgt. Timothy Moore/USAF

合同演習中の航空自衛隊戦闘機F2と米軍の爆撃機B1及び戦闘機F16(20年4月)/Tech. Sgt. Timothy Moore/USAF

香港(CNN) 防衛省は25日までに、自衛隊が2020年、米軍の艦艇や航空機の防護を計25回実施したことを明らかにした。自衛隊と米軍の統合運用が進んでいることの兆候といえる。

日本はこうした活動を「アセット(装備品など)の防護」と呼んでいる。防衛省の発表によると、「厳しい安全保障環境」の中で19年の計14回から回数が増えた。

25回のうち4回では、弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視活動に当たる米海軍艦艇を防護した。これ以外の21回では、日本側と共同訓練中の米航空機を防護した。

日本当局は防護任務を実施した時期や場所について明らかにしておらず、「日本の防衛に寄与した」とのみ説明している。米軍と自衛隊は昨年、日本内外でさまざまな演習に参加しており、インド洋のような遠隔地で行われた演習もあった。

防衛アナリストによると、こうしたアセット防護の任務遂行中に敵対勢力が米軍を攻撃した場合、自衛隊は反撃を行う可能性がある。神奈川大学のコオリ・ウォレス助教は「米国のアセットが突然攻撃を受けた場合、自衛隊は米艦艇や航空機への追加攻撃を防ぐために反撃するものとみられている」と指摘した。

ただ、政策研究大学院大学の道下徳成副学長は、自衛隊が実質的な危険に直面する可能性は低いと説明。そのうえで「一部の国の軍が日米の演習中に危険な動きをしているのは確かで、いくつかのケースで米国や日本が警戒すべき事案を経験した可能性はある」と述べた。

ただ、両氏とも今回の自衛隊の発表について、東アジア地域での脅威が増す中で日米の安全保障関係の重要性が増していることを示すものであり、潜在的な敵に重要なメッセージを送る内容だとしている。

日本では2014年、当時の安倍晋三首相が平和主義的な戦後憲法の「解釈変更」を推進。憲法は日本政府による自衛隊の使用を厳しく制限していたが、解釈変更により21世紀の安全保障環境を反映させた。

その翌年には平和安全法制が成立。これに伴い改正された自衛隊法第95条の2では、自衛隊は米軍の艦艇や航空機の防護に武器を使用できることとした。

「アセット防護」を含む活動には、米軍からの要請と日本の防衛相の承認が必要となり、日本の防衛を支える目的で行わねばならない。戦闘の可能性が高い場所で実施することはできない。

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