「ワクチン承認競争」巡り米英間で応酬、ファウチ氏が「拙速」発言謝罪

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英国のワクチン承認を「拙速」と評したファウチ氏が発言について謝罪した/Tasos Katopodis/Getty Images North America

英国のワクチン承認を「拙速」と評したファウチ氏が発言について謝罪した/Tasos Katopodis/Getty Images North America

ロンドン(CNN) 英国が今週、欧米で初めて新型コロナウイルスワクチンを承認したことをきっかけに、米英の当局者が応酬を繰り広げる場面があった。3日夕には、英国による承認を「拙速」と発言した米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が謝罪する事態となった。

ファウチ氏は米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの承認をめぐり、英規制当局は米国ほど慎重にデータを精査しなかったと指摘。英国による承認は「拙速」だったとの見方を示した。

2日にはFOXニュースの番組で「我々の米食品医薬品局(FDA)は規制面で絶対的な水準を誇っている。英国は米国ほど慎重に判断せず、その結果、数日間先行することになった」と述べた。

ファウチ氏の一連の発言をきっかけに、米英間では当局者による言葉の応酬に発展。専門家からは、ワクチンの安全性に対する人々の信頼を損ないかねないと懸念する声が上がっている。

ただ、ファウチ氏は3日夕までに英テレビで謝罪し、英BBCに対し「誤解があった。それに関して申し訳なく思っており、謝罪する。私は英国の科学界と規制当局に多大な信頼を寄せている」と語った。

そのうえで「米国には米国のやり方があって、英国とは少し異なっている可能性がある。必ずしもどちらが良いとか悪いということではない」とした。

英国がワクチン承認競争で米国を追い抜いた一因としては、規制当局によるデータの扱い方が両国で違うことが考えられる。

英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は通常、承認の判断に製薬企業のデータ報告書を使用する。一方、FDAは製薬会社から提供された生データを改めて分析することが多く、やや時間がかかる場合がある。

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