モスクと教会とシナゴーグを1カ所に、UAEが構想発表
アブダビ(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)が宗教間の調和を目指すプロジェクトとして、モスク(イスラム教礼拝所)とキリスト教会、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を1カ所に集めた施設を首都アブダビに建設する計画を発表した。
この施設「アブラハム・ファミリー・ハウス」は、宗教指導者らでつくる「人類友愛のための高等委員会」が構想。それぞれの宗教の礼拝の場を提供しながら、宗教間対話や交流の場としての役割を果たす。
同プロジェクトが誕生したのは、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が2月にUAEを訪問した際に、イスラム教指導者との間で人類の友愛を促す共同宣言に署名したことがきっかけだった。
同施設はアブダビにあるサディヤット島でルーブル・アブダビの近くに建設され、設計は著名建築家のデービッド・アジャイ氏が手がける。それぞれの宗教の礼拝所のほか、交流活動や非公式な集まりのための共有スペースも設ける予定。
アジャイ氏は「こうした建物を通じ、あらゆる信仰をもつ人たち、そしてあらゆる社会の人たちが、今後何世代にもわたり、平和的共存の使命について学び、貢献できることを望む」とコメントしている。
ユダヤ教指導者のブルース・ラスティグ師は、「宗教指導者と地域社会の架け橋を築くとともに、違いによって定義されることがあまりに多い時代にあって、平和と調和を促進する一助になる」と評価している。