中国からの留学生、連れ去られ行方不明に 男1人を逮捕 カナダ
(CNN) カナダ東部オンタリオ州の警察は、州都トロント近郊で、中国から留学している男性(22)が覆面の集団に連れ去られ、行方が分からなくなったと明らかにした。地元警察は26日に声明を出し、男性の連れ去りにかかわったとしてトロントに住む35歳の男を逮捕したと発表した。
防犯カメラの映像などによると、留学生の男性は23日の午後6時ごろ、自宅の地下駐車場で友人の女性と車から降りようとしたところを、黒いジャケット姿の4人組に襲われた。
男性は抵抗したが、犯行グループの1人が持っていたスタンガンで撃たれ、盗難プレート付きの黒い車に押し込まれた。車はその後、トロント市内に乗り捨てられているのが見つかった。
警察の報道官によると、市民から寄せられた情報が車の発見につながったという。警察は犯行グループの写真などを公開し、市民らに心当たりがあれば警察に通報するよう呼び掛けている。
地元のCNN系列局によると、男性の家族は現在、中国からトロントへ向かっている。同市の中国総領事館も警察と協力し、家族と連絡を取っている。
犯行動機や男性自身に関する情報はほとんど公開されていない。同系列局によると、2017年には中国人留学生少なくとも3人が、中国の家族から金を脅し取ろうとする詐欺の被害に遭ったという。
別のCNN系列局は、男性がランボルギーニやロールスロイスなどの高級車に乗っていたと伝えている。犯行現場の駐車場は普段、専用のタグを持っている住民以外は入れない仕組みになっているという。
逮捕された男の身元は明らかにされておらず、起訴もされていない。警察は、依然として男性の安否が危惧されるとしたうえで、連れ去った犯人らに対して男性を無事に解放し、自首するよう求めた。