FBI、北朝鮮から潜入した技術労働者の活動取り締まり強化 米国内の協力者も摘発

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北朝鮮政府のために米国で活動しているとされる技術労働者チームの加工済み画像/US District Court District of Massachusetts

北朝鮮政府のために米国で活動しているとされる技術労働者チームの加工済み画像/US District Court District of Massachusetts

(CNN) 北朝鮮が国外で働く技術労働者を使って秘密裏に兵器開発資金を獲得しようとする中、米国の法執行機関はこれを徹底的に取り締まるべく、このほどニュージャージー州の男1人を逮捕した他、16州でノートパソコンの隠し場所を捜索した。司法省が6月30日に発表した。

検察当局によると、この計画では北朝鮮の技術労働者が米国、中国、その他の国の人々の協力を得て100社以上の米国企業に雇用されていたことが分かった。これらの北朝鮮人は、ある事件では「輸出規制対象の米国軍事技術」を盗み、別の事件ではジョージア州に拠点を置く技術企業から74万ドル(約1億円)相当の資金を盗んだと、司法省は述べている。

これは国家安全保障に関連する事件の最新の事例。米連邦捜査局(FBI)当局者によると、制裁下にある北朝鮮の政権の歳入を増やすため、数万人の海外労働者を活用しようとする取り組みのほんの一例に過ぎないという。

この疑惑の活動を巡っては、米国人が重要な役割を担っていることも浮上している。

昨年、検察当局はアリゾナ州に住む女1人を起訴した。女は米国人60人の個人情報を危険にさらし、米企業300社に影響を及ぼす計画に絡んでいたとされる。これらの企業には大手全国テレビ局、シリコンバレーの「一流」ハイテク企業、そして米国を「代表する」自動車メーカーが含まれる。その数カ月後にはFBIがテネシー州の男を逮捕した。男は北朝鮮労働者らが米国市民になりすますのに協力し、米国と英国のハイテク企業に就職させようとした疑いをもたれている。

30日に発表された事件の一つで、検察当局はニュージャージー州出身の男を含む米国内の複数の人物が、100以上の組織の企業用ノートパソコンにログインしたとみている。目的はこれらの企業に対し、外国人技術労働者らが米国在住だと信じ込ませることだったという。

これらの外国人技術労働者はその後、当該企業のサーバーから機密情報を入手したと司法省は述べている。そのうちの一つはカリフォルニア州に拠点を置く匿名の防衛関連企業で、人工知能(AI)搭載機器・技術の開発を専門とする。

司法省によると、中国人6人と台湾人2人もこの計画に関与したとして起訴されているが、現在逃走中だ。

二つ目の事件では北朝鮮国籍の4人が共謀し、米国とセルビアに拠点を置く企業から90万ドル以上の仮想通貨を盗み出したと検察は発表。その後、海外の口座を通じて資金洗浄を行ったと司法省は主張している。この4人も現在逃走中だ。

長年にわたり、北朝鮮の労働者は偽の身元情報を利用し、時には面接を突破して、大小さまざまな米国企業に潜入してきた。CNNの以前の調査では、カリフォルニアに拠点を置く仮想通貨分野の新興企業の創業者が、北朝鮮のエンジニアに数万ドルを支払っていたことが判明したが、この創業者はFBIから通知を受けるまで事態に気づいていなかったという。

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