「直ちに離れよ」、取材班搭乗の米軍機に中国が警告 南シナ海
南シナ海上空(CNN) 複数の国が領有権を主張する南シナ海の上空で10日、CNN取材班が乗り込んだ米軍哨戒機に対し、中国軍から「直ちに離れよ」との警告があった。南シナ海では中国が急速な軍事拠点化を進めている。
取材班は米海軍の哨戒機「P8Aポセイドン」に搭乗。上空約5000メートルからサンゴ礁が駐屯地と化した様子を確認した。5階建ての建物やレーダー設備、発電所に加え、大型軍用機の発着に耐えうる頑丈な滑走路も備えていた。
飛行中には乗組員に対し、中国軍から6回にわたる警告があった。その音声は米軍機が中国領内に入っていると告げ、「不測の事態を避けるため直ちに離れて接近を控えよ」としていた。
ポセイドンが今回上空を飛行したのはスビ礁、ファイアリー・クロス礁、ジョンソン礁、ミスチーフ礁に造成された4つの人工島で、いずれも中国が軍事拠点化を進めている。
スビ礁では、中国沿岸警備隊のものも含む86隻の艦船をポセイドンのレーダーが探知した。ファイアリー・クロス礁では、長大な滑走路に沿って格納庫が並んでいた。
乗組員を統率するローレン・カレン大尉は「海洋のただ中に空港があるのは驚きだった」と話している。