「米宇宙軍」、2020年までに創設を 副大統領が表明
ワシントン(CNN) 米国のペンス副大統領は9日に国防総省で行った演説で、2020年までに「宇宙軍」の創設を求めると発表した。
演説の中でペンス副大統領は中国やロシアの脅威に言及し、「米宇宙軍を創設すべき時が来た」と強調。「米宇宙軍省を2020年までに創設することを目指し、直ちに提言を実行に移すための行動に出る」と表明した。
宇宙軍についてはトランプ大統領が6月に行った演説で、創設に向けたプロセスに直ちに着手するよう国防総省に指示したと語っていた。
新たな軍を発足させるためには法案が米議会を通過する必要があるが、ペンス副大統領の発表は、創設に向けた機運が高まったことを示している可能性もある。実現すれば、新たな軍の創設は1940年代に発足した空軍以来となる。
ペンス副大統領は、米国が宇宙で直面している脅威としてロシアと中国を名指しし、「敵は新たな戦争兵器を宇宙へ持ち込むために動いている」と力説。中国とロシアは、米国の衛星を狙ったミサイルやレーザーなどの開発を進めているとの見方を示した。
さらに、ロシアと中国は、宇宙から地球を攻撃するための極超音速ミサイルなどの兵器開発も進めていると述べ、「敵は既に宇宙を戦闘領域へと変えている。米国はこの挑戦に対して萎縮しない」と強調した。
ペンス副大統領の演説に合わせて、国防総省は議会への報告書を発表し、国防総省の宇宙担当部局の組織や体系に関する提言を打ち出した。