秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<3> DMZ、ロッドマン、ワームビア

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(CNN) ここはおそらく、世界でもっとも強烈な土産物屋かもしれない。

前回「秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<2> 海産物とミサイルの町」はこちら

ここで売られている絵葉書には「我々は核戦争への米国の企みを粉砕する」や「米国の強硬路線に対抗するため、我々は超強硬路線で立ち向かう」といったスローガンが書かれている。

そして、ここで売られている絵葉書に書かれている文言の意味を理解するのに朝鮮語を読む必要すらないかもしれない。絵葉書が象徴する、米国を粉砕する巨大なこぶしや北朝鮮のミサイルによる米国人の消滅が雄弁に物語っている。

軍事境界線へようこそ。悪名高き「非武装地帯」は世界でも類を見ない場所だ。約257キロにおよぶ境界線は北朝鮮と韓国を分けるが、その名前にはごまかしがある。ここは「非武装」などではないのだ。

この強固に要塞化された国境の両側には多数の兵士が配置され、互いに武器を突き付けあっている。ここは世界でも最も危険な紛争の火種のひとつだ。両国が実際にはまだ戦争状態にあることを思い起こさせる。

CNN取材班は一見おだやかな田園地方を走り抜けた。ここの土地は地雷まみれだ。そして、取材班は板門店に到着した。ここは、冷戦の最後の不気味な遺物のひとつだ。 ガイドを務めた中佐に、最近、軍事境界線の緊張が高まっているか尋ねた。高まっているとの答えが返ってきて、緊張の高まりは米国の「敵対政策」のせいだという。

話題を変えようとしてみた。その中佐は36歳だったが、記者との類似点はどうやらそこだけだった。

中佐はバスケットボールが好きだったが、こちらは苦手だった。こちらはクラシックロックが好きだったが、中佐が好きだったのは、金正恩委員長をたたえる北朝鮮の革命歌だった。

共通する部分は全くなかったが、互いに好意を感じ、最後には、友人として分かれた。

CNN取材班は平壌へ車で戻った。北朝鮮を訪れて以降で最も心かき乱されるような日が訪れるとは予想だにしていなかった。

それは、平壌におけるいつもの朝のように始まった。午前5時、なにやら頭から離れない旋律がスピーカーから流される。これは、人々に新しい1日を告げるための全市へ向けた目覚まし時計だ。

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