ロヒンギャ難民乗せた船が転覆、23人死亡 ベンガル湾
(CNN) 国際移住機関(IOM)は29日、ミャンマーから隣国バングラデシュにロヒンギャ難民を乗せて向かっていたボートがベンガル湾で転覆し、少なくとも23人が死亡したと発表した。これまでに17人が救出されたが、目撃証言から約40人が行方不明だとの見方を示している。
IOMの声明によれば、ボートは28日、バングラデシュに向けて荒れた海を航行中に転覆し、この直後に15人の遺体が収容された。29日朝には他の8人の遺体も2カ所から回収され、2人が女性、6人が子どもだという。
IOMの現場担当者が派遣され、海から引き揚げられた生存者17人の支援に当たった。病院での治療が必要となった10人のうち、男性4人と子ども2人はすでに退院。いずれも、バングラデシュ南部で政府が運営する難民キャンプに収容される見通しだ。
退院した男性のひとりはIOMに、ボートが転覆した際、親の同伴のない子ども推定50人を含む約80人が乗っていたと証言。この目撃証言を受けIOMは、依然として約40人の難民が行方不明だとの見解を示した。
バングラデシュでの支援活動を取りまとめる「インターセクター・コーディネーショングループ」の最新の報告によると、8月25日に衝突が発生して以来、48万人あまりのロヒンギャがラカイン州から避難したという。
ミャンマー当局者は、今回の衝突はロヒンギャの戦闘員により引き起こされたと主張。「民族浄化」だとする国連の批判を否定している。ただ、避難したロヒンギャからはミャンマーで自宅への放火や隣人からの攻撃、親族の拉致といった事態を目の当たりにしてきたとの声が上がっている。