ロヒンギャの苦難、男児の変わり果てた姿に涙 ミャンマー

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ロヒンギャへの迫害が指摘されるラカイン州は、外部からの立ち入りが制限されている

ロヒンギャへの迫害が指摘されるラカイン州は、外部からの立ち入りが制限されている

ロヒンギャを追う軍の目を逃れるため、一家はいくつもの村を転々とした。食事も睡眠も取らないまま、6日間歩き続けたこともある。途中で家族と別れ別れになったアラムさんはバングラデシュ国境の川にたどり着き、泳いで渡り始めた。バングラデシュの漁船に助けられて国境を越え、そこへ家族を呼び寄せようと船を手配した。

家族とは12月4日に電話で話した。「妻と話す後ろで、下の息子がパパ、パパと言っている声が聞こえた」という。

その数時間後、家族は川岸へ向かった。川を渡ろうとする一団に警官が気付いて発砲したため、船頭はその場の全員を乗せて逃げようとした。船は定員オーバーで沈没した。

アラムさんが全てを知ったのは翌日のことだった。息子の遺体が見つかったという知らせとともに、携帯電話で撮った写真が送られてきた。アラムさんは言葉を失った。

「あの子の話をするのはとてもつらい。パパっ子で人懐こくて、村中の人気者だったんだ」

ロヒンギャの家族がバングラデシュへ逃れようとして引き裂かれるケースは珍しくない。国際移住機関(IOM)によると、この数カ月で約3万4000人が国境を越えた。「途中で亡くなった人の数は川だけが知っている」と、アラムさんは言う。

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