イラク軍、モスル近郊の古代遺跡を奪還
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されたイラク北部モスルの奪還作戦で、イラク軍は13日、同市近郊ニムルドにあるメソポタミア文明の遺跡を奪還した。イラク合同作戦司令部の報道官が発表した。
ニムルドはモスルの南東約30キロに位置し、3000年近く前にアッシリア帝国の首都として栄えた古代都市の遺跡がある。
合同作戦司令部の報道官がCNNに語ったところによると、遺跡に隣接する町と村のうち、村はイラク軍部隊がすでに掌握した。遺跡の西方1~2キロの町では現在も戦闘が続いているという。
ニムルドを制圧したISISは昨年、電動ドリルと大型ハンマーで彫像や壁を壊し、ブルドーザーで建物をつぶすなどした動画を公開。動画の最後の場面には大規模な爆発と煙が映っていた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)はニムルド遺跡の破壊を「戦争犯罪」と非難していた。
ISISはイラク、シリア両国の支配地域で文化遺産や遺跡の破壊を繰り返してきた。偶像崇拝禁止の教えに反するとの理由から、イスラム教やキリスト教、ユダヤ教を含めたあらゆる宗教施設が攻撃の対象となっている。