シリア人道支援車列に攻撃、12人死亡 国連や米が怒りの声
(CNN) 国連によれば、シリア北部アレッポ近郊で19日、国連などの7万8000人分の人道支援物資を運んでいた車列が攻撃を受けた。在英のシリア人権監視団(SOHR)は、物資の輸送に携わっていた12人が死亡したとしている。
国連よると、車列を構成するトラック31台のうち18台が被弾した。同じ地域にあるシリア赤新月社の倉庫にも着弾したという。
攻撃を実行したことを認める声明はどの勢力からも出ていない。国連車列を襲ったのが空爆か砲撃かも不明。
アレッポ市内やその西郊では同日、この他にも攻撃があり、SOHRによると、少なくとも計32人が死亡したとしている。
シリア当局は今回の攻撃があった数時間前、同国における停戦は終了したと宣言していた。
今回の攻撃を受けて、国連や米国の当局者からは怒りの声が上がっている。
国連のデミストゥラ・シリア担当特使は、「この攻撃に対する我々の怒りは大きい。車列は孤立した民間人を助けるため、長いプロセスを経て許可を取り準備を重ねてきたものだった」と述べた。
米国務省も、車列の行方についてはシリアとロシアの両国に通知されていたと非難。同省は攻撃の責任について名指しすることはなかった。だが、今回の攻撃は停戦合意にあからさまに違反するものであり、今後もロシアとの協力を継続するか見直さざるを得なくなるとの見通しを示した。