「グリーンゾーン」の議事堂に抗議集団乱入 イラク首都
(CNN) イラクの首都バグダッドで4月30日、政府機関や米大使館のある旧米軍管轄区域「グリーンゾーン」へ数百人のデモ隊が行進し、連邦議会議事堂に乱入した。
政府系テレビ、アルイラキーヤは、国旗を手にしたデモ隊がグリーンゾーンの中を自由に歩き回り、議事堂内のホールや会議室に集合する姿を伝えた。
デモのきっかけとなったのは、イスラム教シーア派の指導者サドル師が中部ナジャフで行った演説。サドル師は数カ月前から、政府は経済危機や汚職問題を放置していると批判し、政府側が対応しなければ自身の支持者らがグリーンゾーンへなだれ込むと警告していた。
同国のアバディ首相に対しては最近、サドル師やマリキ前首相らが批判を強めてきた。首相は宗派間対立の解決に努め、30日には内閣改造を発表する予定だったが、欠席が多く審議は成立しなかった。
グリーンゾーンで大規模な暴力は報告されていないが、クルド語放送局はクルド人議員らが議事堂内に閉じ込められ、デモ隊に車をつぶされたと伝えた。過去にサドル師を批判したイスラム教シーア派の議員が、デモ参加者に殴られたとの情報もある。