エアアジア機墜落、原因は操縦装置の不具合と操縦ミス
(CNN) マレーシアの航空会社エアアジアの旅客機が昨年末にインドネシアのジャワ海で墜落した事故の原因を調べていた国際チームは1日、調査結果を発表した。機器の故障に対応した操縦士の操作が墜落につながったと結論付けている。
報告書によると、墜落したQZ8501便の操縦装置は接合部にひびが入り、以前から誤作動を繰り返していた。整備記録によると、誤作動は事故までの1年間に計23回発生し、3カ月前から次第に間隔が短くなっていたという。
インドネシアの国家運輸安全委員会が報告書で指摘したところによると、誤作動が起きた後の操縦士の操作によって機体が失速状態に陥り、制御不能となったことが判明した。
エアアジア機は昨年12月28日、インドネシア・ジャワ島東部のスラバヤからシンガポールへ向かう途中で墜落し、乗客乗員162人が全員死亡した。
原因調査にはオーストラリア、フランス、シンガポール、マレーシアの各当局が参加していた。
CNNで航空分野を担当するリチャード・クエスト記者は、操縦士の訓練が事故の多い離着陸時に集中し、巡航中の対応がおろそかになっている問題を指摘。巡航時はスピードが出ているため、正確な操作ができなければ致命的な事故を招く恐れがあると話す。
今年に入って発表されていた中間報告によると、墜落機の操縦士は離陸から約35分後、荒天を避けるため高度を上げたいとして管制に許可を求めた。
専門家がCNNに語ったところによると、同機は約30秒間のうちに高度9700メートルから1万1400メートルまで、想定の2倍の速さで急上昇した可能性がある。その数分後に機影がレーダーから消えた。