米国防情報局、「北朝鮮は核弾頭搭載可能」
(CNN) 米国防総省傘下の国防情報局(DIA)が、北朝鮮は弾道ミサイルに核兵器を搭載する能力を持つ可能性が高いとの報告書をまとめていたことが分かった。ただし完成度は「低い」と評価している。11日の米下院軍事委員会公聴会でダグ・ランボーン議員(共和党)が明らかにした。一方、国防総省は報告書で触れた核能力について、北朝鮮は完全な実証を済ませていると考えるのは「不正確だ」として否定的な見方を示した。
オバマ政権は、北朝鮮がいつ弾道ミサイルの発射実験を行ってもおかしくないとの見方を示している。ただ、政府高官によれば、実験準備が行われているミサイルに、核が搭載されていることを示す形跡はないという。
国防総省のリトル報道官は11日、ランボーン議員の発言を受け、「北朝鮮が(DIAの)報告書で言及しているような核能力の完全な実験、開発、実証を済ませていると解釈するのは不正確だ」と強調した。
また、報告書の内容について直接的に知る立場の米政府当局者は同日夜、CNNに対して「北朝鮮がこの種の兵器の実験を行ったとは考えておらず、完成もさせていない。北朝鮮が核弾頭を開発したとも考えていない」と語った。
DIAの報告書はランボーン議員がこの日の公聴会で読み上げ、「DIAはある程度の確信を持って、北(朝鮮)が現在、弾道ミサイルに搭載可能な核兵器を保有していると判断した。ただし完成度は低い」と述べていた。同報告書は機密扱いにはなっていなかったという。
同委員会で証言していたデンプシー統合参謀本部議長はランボーン議員に質問され、「まだ見ていないので、コメントは差し控える」と答えるにとどめた。