マスク氏、特別政府職員を退任 薬物使用報道への質問はかわす
(CNN) 米富豪イーロン・マスク氏が特別政府職員の職務を離れる30日、トランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室でマスク氏本人と並んで会見した。トランプ氏はマスク氏について「実際には、いなくなるわけではない」と発言。今後も「出入りはする」はずだと語った。
「イーロンは実際には、いなくなるわけではない。今後も出入りはするだろう。そんな気がする」と、トランプ氏は述べた。その上で、マスク氏には小さい子どもがいるのでこれからやることがたくさんあるのだろうと示唆しつつ、政府効率化省(DOGE)での同氏の業績を称賛した。
DOGEの仕事は今後も続くとトランプ氏は強調。マスク氏については、公言した通り「ワシントンでの旧態依然としたやり方を劇的に変革してくれた 」と労った。
共同会見でトランプ氏は、連邦政府からの公式な見送りの一環として、マスク氏に式典用の鍵を手渡した。その際「我が国からの贈り物だ。ありがとう、イーロン。お元気で」と言葉をかけた。
マスク氏はDOGEを通じ、連邦政府の規模と範囲の大幅な刷新を監督。この取り組みを受け、トランプ氏就任後の最初の100日間で少なくとも12万1000人の連邦政府職員が解雇もしくは解雇対象となった。
それでも、政府支出の1兆ドル(約145兆円)削減という当初設定した目標には届かなかった。
会見では、マスク氏が米紙ニューヨーク・タイムズの報道に関する質問をかわす一幕も見られた。同紙はマスク氏が、これまで知られていたよりも広範囲に薬物を使用していたと報じていた。
マスク氏は記者の言葉を遮るとニューヨーク・タイムズの信憑(しんぴょう)性に疑問を呈し、次の質問に移るよう促した。
具体的にはニューヨーク・タイムズについて、「ロシアゲート事件」の虚偽報道でピュリツァー賞を受賞した新聞社だと示唆。今後裁判で虚偽報道が確定し、賞を返上する事態に追い込まれるかもしれないなどと述べた。
ニューヨーク・タイムズは30日、マスク氏について、昨年トランプ氏の陣営で頭角を現す中で「以前知られていたよりもずっと盛んに薬物を使用していた」と伝えた。本人の行動に詳しい人物を引用して報じた。
同紙が指摘したところによれば、そうした薬物使用が今年ホワイトハウスでトランプ氏の側近を務めた時期にまで及んでいたかどうかは明らかではないという。