米FBI、性的脅迫の犯罪集団を阻止 世界中で未成年者含む数千人が被害

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
自殺したライアン・ラストさん/Courtesy Pauline Stuart

自殺したライアン・ラストさん/Courtesy Pauline Stuart

(CNN) 米連邦検察によると、西アフリカ・コートジボワールで先ごろ「米国、カナダ、英国、フランス、スペイン、イタリアで未成年者を含む数千人の被害者を狙った国際的な『セクストーション(性的脅迫)』計画に関与した」疑いで4人が拘束された。

拘束されたのは、コートジボワールを母国とするアルフレッド・カッシ容疑者と共犯者3人。同国は自国民を他国に引き渡さないため、4人は同国のサイバー犯罪法に基づき訴追される見込み。

セクストーションとは、未成年者を含む被害者が、ネット上の犯罪者に性的な画像を送るようだまされ、金銭やさらに露骨なコンテンツの作成と引き換えに脅迫される手口を指す。

連邦捜査局(FBI)は被害者からの申し立てが急増していることを受け、全米の保護者に向けた警告を強めている。

「子どもたちがあんなに怖がる必要はない」

カリフォルニア州サンノゼに住むポーリン・スチュアートさんの息子ライアン・ラストさん(当時17)は2022年2月のある日、少女だと思われた人物からメッセージを受け取った。

数時間後、成績優秀でボーイスカウトに所属していたラストさんは自殺した。

ネット上での会話はすぐに親密さを増し、やがて犯罪へと発展したという。

少女を装った犯罪者はラストさんにヌード写真を送り、自分の性的な写真も共有するよう求めた。ラストさんが写真を共有するなり、相手はその写真を公開して家族や友人に送りつけると脅し、5000ドル(約73万円)を要求した。

全額は支払えないと伝え、最終的に要求額は150ドルにまで引き下げられた。しかし、大学進学用の貯金から支払いをした後も、スチュアートさんによると、ラストさんへの要求はエスカレートし、大きなプレッシャーをかけられ続けたという。

スチュアートさんはラストさんが死に至るまでの出来事を捜査官から伝えられるまで、息子がどのような目に遭っていたか全く知らなかったという。

スチュアートさんが午後10時にラストさんにおやすみと告げたとき、息子はいつも通り元気な様子だった。それから午前2時までの間にラストさんは詐欺に遭い、命を落とした。遺書には自分自身にも家族にも恥ずかしい思いをしたとつづられていた。

スチュアートさんは「彼はあの時、写真が本当にネットに投稿されたらどうすることもできないと本気で思っていた」「遺書には彼がひどく怖がっていたことが表れていた。子どもがあんなに怯(おび)えなければならないはずはない」と訴える。

医療専門家によると、若い男性がセクストーション関連の詐欺に陥りやすい背景には、重要な理由があると指摘する。10代の脳はまだ発達途上のため、個人的な写真がネットにさらされるなど重大な出来事が起こると、それを受け流し、大局的には乗り越えられると理解することが難しいという。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「米国」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]