レストラン店主、壊れた車集めて空き時間に修理 困っている人々に贈る
地域社会への貢献
ミドルトンさんは、全ての人を助けることが大事だと信じているが、社会からしばしば忘れられがちな南部の農村地域に住む善良で勤勉な人々のことを、放っておくことはできないという。
「私たちは忘れ去られてしまった地域社会を思い出す必要がある。人々は大都市には目を向けるが、田舎町やそこに住み助けを必要としている人たちのことは忘れている。彼らは人間であり、アメリカ人だ。我々は彼らの面倒を見るべきなのだ」
彼にとって見ず知らずの人を助けることは、単なる善行ではなく、使命であるという。
ミドルトンさんと8年来の友人であるマイク・ジェニングスさん(31)はCNNに対し、こう語っている。「エリオットがようやく正当な評価を得られたことをうれしく思う。プロジェクトがこれほど大きくなるとは彼も予想していなかったと思うので、本当に素晴らしい」「彼は予想をはるかに上回ることを成し遂げた。それを目の当たりにすることができるのはうれしい。私たちは皆、彼に感謝しているし、彼を誇りに思っている」
ミドルトンさんと同じく整備士のジェニングスさんは、ミドルトンさんに感銘を受け、他人のために車を修理するミドルトンさんを手伝うようになった。
20年11月、ジェニングスさんの車が故障した。当時は新型コロナウイルスのパンデミックで金銭的に苦しく、車を修理すれば、仕事を失った婚約者と4歳の娘を養う余裕がなくなるという状況にあった。それでも彼はいつもミドルトンさんのプロジェクトに参加することを楽しみにしていた。
12月のある日、ジェニングスさんが修理を終えたばかりの2000年式のスバル「フォレスター」を片付けていると、ミドルトンさんが彼に向かって「そのスバルは君のものだよ」と言った。
スバル・フォレスターのサプライズプレゼントをもらったマイク・ジェニングスさんが娘と一緒に撮影/Courtesy Eliot Middleton
「まさかそんなことを言われるとは思ってもいなかったので、とてもびっくりした。エリオットは僕のことも考えてくれていたので感動した。本当にありがたかった。もう仕事場にどうやって行こうかと心配したり、人に頼ったりしなくていい。本当に困っていたのだが、彼にだいぶ助けてもらった」とジェニングスさんは振り返る。
先週ジェニングスさんは失業してしまったが、親友のミドルトンさんがここでも助け舟を出した。最近、自身のプロジェクトを「ミドルトンズ・ビレッジ・トゥ・ビレッジ・ファンデーション」という非営利団体に改組した彼は、ジェニングスさんをチームの一員として採用したのだ。
ミドルトンさんはこう語る。「多くの人は自分の状況を打ち明けようと牧師や精神科医を頼るが、地域社会を頼る人もいる。そのために私はここにいる。助言でも、おしゃべりでも、車の修理でも、私は常に地域社会のためにここにいる。私はいつでも地元の人々を助けていく」