CNN記者の記録を要求したトランプ前政権、数カ月にわたる秘密の法廷闘争

CNNの法律顧問を務めるデービッド・ビジランテ氏/CNN

CNNの法律顧問を務めるデービッド・ビジランテ氏/CNN

弁護士は広範な命令を受けたときの通常の対応として、司法省との交渉に臨もうとした。だが検察は命令の範囲を狭めることに興味を示さなかった。「つまり、弁護士がこうした状況の舵(かじ)取りをするのに普段使うツールのすべてが拒否された状態だった」とビジランテ氏は語る。

法廷闘争

CNNは昨年9月、命令の無効や範囲の限定を求めて初めて裁判所に出廷した。10月7日に行われた非公開のビデオ会議形式の審問では、テレサ・ブキャナン連邦治安判事が司法省に対して範囲の限定を指示した。ところが検察はその2日後、裁判所に機密情報を含む非公開の宣誓供述書を提出。ブキャナン判事に命令をそのまま続行することを認めさせた。

CNNは11月までにこの命令に抗告した。12月16日の審問では、バージニア東地区のアンソニー・トレンガ連邦地裁判事がCNNの主張に同調し、「求められている情報がその性質上弱すぎて、政府の捜査への関連性、重要性、有用性が十分ではない。特にこれが関係する(報道の自由などを定める)合衆国憲法修正第1条に照らせばそうだ」と述べた。

ビジランテ氏は「これが我々が初めて知った証拠に対する評価であり、驚がくするものだった」と語る。

CNNの弁護士は事態を解決に導こうとしたが、バイデン政権が始まる5日前の今年1月15日になって、司法省はトレンガ判事に再考を求める動きを見せた。

だが同日、バージニア州で捜査を統括していたザカリー・ターウィリガー連邦検事が職を離れ、他の高官もトランプ政権を去った。捜査や命令には司法省国家安全保障部門の検察官も関与していた。

1月26日、司法省は情報開示を大幅に限定することに合意し、7月の命令はもはや効力がない点にも同意した。これにより、さらなる要求がある場合には、スター記者が事前に関与できる道が開かれた。

5月に入り、司法省はスター記者に通信記録を差し押さえていたことを通知した。その手紙で、司法省がスター記者の電話番号や個人の電子メールアカウントに関連する記録を取得していたことをCNNは初めて知った。こうしたアカウントはCNNや親会社のAT&Tが保有していたものではない。

司法省が行っていたのは国家安全保障の情報漏えい捜査だったように見える。だが結局、今回の記録の要求がどの捜査に関連するものだったのか不明なままだ。検察が提出を求めた電子メールの期間は、スター記者が北朝鮮に関する米軍の選択肢について報じた時期や、シリアやアフガニスタンに関する報道をした時期に重なる。北朝鮮の件では、そうした選択肢がトランプ氏に提示される準備が整っていた状況だった。

司法省は以前、スター記者は捜査の対象ではないと認めている。また、スター記者による法令違反を示唆するものも何もなかった。

司法省は今春、CNNのほか、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズの記者にも別の捜査で記録を押収したことを通知している。これは、トランプ政権が記者の知らないところで、記者の通信記録の取得を試みていたことを初めて公に認めるものとなった。

今月14日には、3社の首脳がガーランド現司法長官と会談する予定。同長官は先週末、同省が情報漏えい事件で記者の記録を要求しない意向を発表している。

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