米国のコロナ感染者数、「峠を越えていない」 ファウチ所長

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トランプ大統領の見解に反し、米国のコロナ禍は「峠を越えていない」とファウチ氏/Pool/Getty Images

トランプ大統領の見解に反し、米国のコロナ禍は「峠を越えていない」とファウチ氏/Pool/Getty Images

(CNN) 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は11日、国内の新型コロナウイルス感染者数について、「峠を越す」状況には程遠いとの認識を示した。トランプ大統領は前日、国内の感染は「峠を越しつつある」と発言していた。

ホワイトハウスの公式フェイスブックページによると、トランプ氏は10日、米国は新型ウイルスに「本当に良く」対応してきたと主張。「我々は峠を越しつつあるし、ワクチンの実用化もすぐ先だと思うが、ワクチンや治療薬の議論は抜きにしても、峠を越しつつあると言える」と述べた。

これに対し、ファウチ氏はMSNBCテレビのインタビューで、大統領の発言には同意できないと表明。国内の感染状況について「感染者は1日約4万人で横ばいが続いている。死者数も1000人程度に上る」と指摘した。

ファウチ氏はさらに、一部地域では検査での陽性率が上昇しつつあると説明した。ここにきて気温が下がっているため、人々が屋内で過ごす時間が増えつつあると述べ、「呼吸器系ウイルスの対策にとって良い状況ではない」との認識を示した。

米国ではこのところ、研究者やホワイトハウス対策チームのメンバーが新型コロナに関する大統領の主張に公然と異を唱えるケースが相次ぐ。

ファウチ氏は今回、米国は来年末までコロナ前の生活に戻れない可能性があるとも指摘。年末年始にはワクチンが入手可能になる見込みだとしつつ、供給体制が整備され、国民の過半数が接種を受けられるようになるのは、来年半ばもしくは来年末だろうとの見通しを示した。

ジョンズ・ホプキンズ大によると、米国ではこれまでに640万人を超える感染者が報告され、死者数も少なくとも19万2663人に上る。

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