マスク氏、トランプ氏主導の法案を酷評 「むかつくほど嫌い」
マスク氏、トランプ氏主導の法案を酷評
(CNN) 米富豪のイーロン・マスク氏は3日、トランプ大統領が成立を目指す法案を酷評した。トランプ氏は連邦議会上院の共和党議員に対し法案を支持するよう圧力を掛けているが、マスク氏はその内容を「むかつくほど嫌い」と切って捨てた。
「申し訳ないが、これ以上は耐えられない。この大規模で言語道断、バラマキまみれの議会の歳出法案は、むかつくほど嫌いだ」「賛成した人間は恥を知れ。間違いを犯したと自分で分かっているはずだ」。マスク氏はX(旧ツイッター)にそう投稿。続けて「議会は米国を破産させようとしている」と付け加えた。
別の投稿では、「来年の11月、我々は米国民を裏切った全ての政治家をクビにする」とも述べている。
複数のホワイトハウスの当局者は、これらの辛辣(しんらつ)な発言に不意を突かれたと明かした。当該の法案に対してマスク氏が抱いている感情については、ホワイトハウスの高官らも認識はしていたものの、これほど強い姿勢で立場を公言するとは予想していなかったという。同氏がこれまでホワイトハウスの職員や共和党議員らと交わした会話の内容を踏まえれば特にそうだ。
当該の法案をマスク氏が攻撃するのは今回が初めてではない。法案が下院を通過した後のインタビューで、同氏はこの大型法案への「失望」を表明。法案によって財政赤字は減少ではなく増加し、自身が率いた政府効率化省(DOGE)の取り組みを台無しにするだろうと語っていた。
マスク氏の直近の批判について3日の記者会見で質問されたホワイトハウスのレビット報道官は、「法案を巡るマスク氏の立場について、大統領は既に承知している」「大統領の見解は変わらない。これは大きく、美しい法案で、大統領は今後も注力していく」と答えた。
ジョンソン下院議長は同日、マスク氏に強い口調で反論し、法案に関するマスク氏の認識は「ひどく間違っている」と主張した。その上で記者団に対し、2日にマスク氏と電話で「非常に和やかに会話した」と説明。そこで「法案の長所を余すところなく伝えた」にもかかわらず本人が法案を酷評していることに「非常に落胆し、驚いている」と述べた。
一方、共和党のランド・ポール上院議員はマスク氏の投稿の後、その内容に同意する考えを表明した。同氏はかねて、財政赤字の増大の観点から法案に反対している。
上院は現在、法案に対して複数の修正を検討中。議会の指導部は来月4日までに法案を通し、トランプ氏による署名を実現したい考えだ。