トランプ氏、コロナ危機軽視を擁護 チャーチルらの言動になぞらえ

トランプ大統領が歴史上の指導者の言動を持ち出して、自身のコロナ対応を擁護した/Evan Vucci/AP

トランプ大統領が歴史上の指導者の言動を持ち出して、自身のコロナ対応を擁護した/Evan Vucci/AP

(CNN) 米国のトランプ大統領は10日夜、ミシガン州の集会で演説し、新型コロナウイルス流行への自らの対応を擁護した。公の場で繰り返しリスクを軽視する姿勢を示したことについては、人々が冷静さを保てるようにするためだったと説明。チャーチルやルーズベルトといった歴史上の指導者たちも、国難の中にあっては同様の認識で国民に呼びかけていたと主張した。

トランプ氏はこの夜、数千人の聴衆に向かって「我々は冷静にならなくてはならない。正気を失い、錯乱状態に陥るわけにはいかない」「ヒトラーがロンドンを空爆した時、英国の偉大な指導者だったチャーチルは、しばしば市内の建物の屋上に上がって演説したものだ。彼はいつも冷静に語りかけていた」と述べた。チャーチルがナチスの攻撃状況把握のために深夜に行っていた視察と、別の機会に英国の国民に語りかけたラジオ演説を誤って引用している様子だった。

実際のところチャーチルは、首相に就任した1940年、ナチスドイツの脅威を念頭に、極めて長く苦しい時期が英国を待ち受けていると警告していた。

感染拡大初期のトランプ氏の態度は、このような決意からはほど遠いものだった。脅威から目を背け、ただそれが過ぎ去るのを待ち望むことを選んだ同氏の態度は、むしろ同時期の別の英首相、ネビル・チェンバレンのそれと共通する。チャーチルの前任者だったチェンバレンはナチスドイツに対する宥和(ゆうわ)政策を選択。多くの歴史家は、この判断によってヒトラーの台頭を阻止する機会が失われたとの見方を示している。

トランプ氏はさらに、自身を米国のフランクリン・ルーズベルトにもたとえて見せた。ルーズベルトは33年の就任演説で国民に対し、「我々が恐れなくてはならない唯一のものは、恐怖それ自体だ」と説いた。

トランプ氏が新型コロナの脅威を否定しようとする文脈でこの言葉を引用するのはいかにも無理がある。現大統領の危機対応とは異なり、ルーズベルトは大恐慌のただ中で起きた金融業界の崩壊を無視しなかった。そうした状況を分かりやすくも力強い言葉で国民に説明し、国を挙げて対応に努めるよう呼び掛けた。

トランプ氏は対照的に、感染拡大は大した問題にはならず、そのうち消え去ると語っていた。実際にはそれがどれほど深刻な脅威なのか、十分に理解していながら。

同氏はこの日の演説で、ミシガン州のウィットマー知事(民主党)に対し、州を「開放」するよう要求。学校を再開し、大学のフットボールの試合中止も撤回するよう求めた。若年層へのウイルスの影響に関する科学的データに言及する一方、若年層を通じてより重症化リスクの高い高齢者に感染する恐れは問題視しなかった。

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