米連邦地裁、弾劾調査を適法と判断 黒塗り部分の開示を命令

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トランプ氏弾劾調査、CNNが解説

ワシントン(CNN) 米首都ワシントンの連邦地裁は25日、トランプ大統領に対する下院民主党の弾劾(だんがい)調査は適法と判断し、司法省に対しマラー特別検察官の捜査報告書で黒塗りにされた大陪審関連の情報の開示を命じた。

トランプ政権は弾劾調査を承認する採決が行われていないことを理由に、下院の調査は正当でないと主張してきた。今回の判断はこうした政権の主張への打撃となる。

連邦地裁のベリル・ハウエル判事は、下院が行っているのが弾劾調査に当たることは明白だと指摘。「弾劾裁判は司法権の行使に当たる」「(司法省の)立場とは反対に、そして歴史的慣習やフェデラリスト・ペーパーズ、憲法の文言、最高裁判例の全てが明確に示しているように、弾劾裁判は本質的に司法であり、司法手続きを構成する」と述べた。

下院司法委員会は裁判所に対し、非公開の大陪審手続きから得られた内容であることを理由にマラー氏の報告書で黒塗りにされた情報の開示を申し立てていた。

こうした情報の公開に至るハードルは高いが、ハウエル判事は「弾劾調査での不正の可能性を回避するためには、開示の必要性が非開示継続の必要性を上回る」としている。

さらに「大統領の弾劾が支持されるかを判断する重大な憲法上の義務の遂行に当たり、議会が2年近くを費やした特別検察官の捜査をやり直す必要はなく、既に情報提供した可能性のある証人によって誤った判断に導かれるリスクを冒す必要もない」とした。

こうした判断を受け、下院司法委員会のナドラー委員長(民主党)は歓迎を表明した。一方、司法省は判断内容を精査中としている。

下院はマラー特別検察官(左)の報告書の黒塗り部分の開示を請求していた/Getty Images
下院はマラー特別検察官(左)の報告書の黒塗り部分の開示を請求していた/Getty Images

下院は情報開示を求める文書の中で、黒塗りにされた情報の一部はトランプ陣営の元選対本部長、ポール・マナフォート氏のウクライナとのつながりや、同陣営を利する可能性のある内部告発サイト「ウィキリークス」による文書公開計画へのトランプ氏自身の関心に関連するものだと述べている。

トランプ氏がウィキリークスへの自身の陣営の積極的関与を認識していたかどうかについて、下院が特別検察官の報告書の詳細を知ることができれば、新たな政治的「爆弾」となる可能性もある。

トランプ氏は以前、マラー氏からの質問に対する書面回答で、陣営幹部とウィキリークスのやり取りを認知していたかや、ウィキリークスによる情報暴露以前に同団体がヒラリー・クリントン氏や民主党に関して握っていた情報に関する会話があったかについて、記憶がないと回答している。

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