米軍、「月に核爆弾」極秘構想を描いていた

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レナード・ライフェル氏

レナード・ライフェル氏

報告書には、月で核爆弾を爆発させれば「宇宙戦争のための核能力」に関する情報が得られるはずだと記されている。ライフェル氏によると、大陸間弾道ミサイルを月に向かって発射し、着弾した衝撃で爆発させる計画だったといい、当時の報道によれば、第2次大戦中に米軍が広島に落としたのと同じ規模の核爆弾を使うことが検討されていたという。

さらに当時の米軍関係者の間では、月を軍事基地として利用することについて論議が交わされ、月面に核兵器発射場を建設する構想もあったという。もしもソ連が核兵器で米国を先制攻撃し、米国の反撃能力が失われた場合、月面からミサイルを発射するという筋書きだった。

「恐ろしい構想だ。永久にSFの域にとどまることを願う」とライフェル氏は振り返る。59年になると構想に対する懸念の方が強まり、結局、プロジェクトは中止された。「我々は地球からさらに放射能を送り込んで月の自然放射能を増やすことは望まなかった」とライフェル氏は言う。

同プロジェクトには、後に「コスモス」などの著書で有名になる天文学者の故カール・セーガン氏も加わっていたという。ライフェル氏は、セーガン氏が規定に違反して、当時まだ機密扱いだった同プロジェクトのことを漏らしてしまったというエピソードも打ち明けた。

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